AIブームが米国の水資源圧迫、経済に悪影響も-JPモルガン
水不足がポートフォリオにどのような影響を与えるか、これまで以上に多くの投資家が注目せざるを得なくなっている。リポートは水不足を財務リスクとして認識する資産運用会社や年金基金が増加していることを指摘。世界銀行は水供給への圧力が続くと、世界の一部では国内総生産(GDP)が6%も減速する可能性があると見積もっている。
JPモルガンのバリアンカバル氏は「問題の規模が大きくなり、さまざまな状況下でそれぞれ適用可能な一連の解決策が利用できるようになったことに加え、この問題に対する社会的関心の高まりで、投資家を含むさまざまな利害関係者が水の分野に注目するようになった」と述べた。
JPモルガンとERMは、水は大きな投資機会だと指摘。分野として、年間910億ドル(約13兆9400億円)の公共支出が不足していると推計している。投資可能な分野としては、治水インフラや水処理施設、新技術などがある。しかし、今のところ、水への民間投資は「必要な額のほんのわずか」だという。
重要なハードルは適切な貨幣価値の設定だ。JPモルガンとERMは、多くの企業が二酸化炭素で試みているのと同じように、市場も水に価格をつける必要があると主張。現在の米国での価格決定は「水の真の価値を反映していない」と記述している。
原題:JPMorgan Says AI Power Demand Is Straining US Water Supplies(抜粋)
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Alastair Marsh