面積は四国に匹敵、南アフリカ国立公園―ロッジのテラスで眺める野生の王国
成田から香港経由でヨハネスブルグ、O.R.タンボ国際空港に着いた。国内線のケープタウン行きに乗り継ぐ合間、ふと空港内のトイレに入った。海外では珍しくピカピカに清掃されたトイレに少し驚いた。「ようこそ、私の美しいオフィスへ」とモップがけをしていた若い黒人男性が手を止め、海外からの旅行者に笑顔を振り撒いていた。 最近、日本からの観光客数を伸ばしている。長かったアパルトヘイト(人種隔離政策)の歴史を克服し、さらに貧困格差、治安の問題を克服すべく動き出した南アフリカ。政府も今、観光産業に力を注いでいる。 雄大な自然、そこに生きる野生動物を目当てに、“一生に一度は訪れたい”と言う旅行者も多い。多くの民族と言語、文化から成り立ってきたことから“虹の国”と呼ばれている南アフリカ共和国を旅した。
「夜は外に出ないで下さいね」とレセプションで注意を促された。どういうことだろうと不思議に思っているとその答えがすぐにわかった。 メイン棟から少し離れたヴィラに案内される途中、すぐ建物の脇をシカに似た動物が通り抜けて行った。クドゥという動物らしい。部屋のテラスからはインパラ、象の群れが見えた。まさに野生動物が住むエリアのど真ん中にいるのだ。
南アフリカの北東部にあるクルーガー国立公園は日本の四国に匹敵する広大な面積を誇る野生動物保護区である。国立公園の西側には多くの豪華ロッジが集まる私営動物保護区があり、南国のビーチリゾートとはまた違った体験を求めて世界中から観光客が訪れているという。(つづく) (2017年11月撮影・文:倉谷清文) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<大自然と人 “虹の国”南アフリカへ>倉谷清文第9回」の一部を抜粋しました。