巨人・泉口友汰内野手が戸郷に負けない歴史的快挙! 「打撃の神様」以来となるG新人左打者で1ー0の決勝打
◆JERA セ・リーグ 阪神0―1巨人(24日・甲子園) 巨人・泉口友汰内野手(25)が値千金の決勝打を放った。5回1死二塁から阪神・及川の直球を左前へはじき返した。巨人のルーキーが1―0の試合で勝利打点をマークするのは、左打ちでは38年の川上哲治以来、86年ぶりとなった。 偉業への視界を開くライナーが遊撃手の頭上を越えた。0―0の5回1死二塁、泉口は外角高め142キロを流し打つと、均衡を破る適時打が左前に弾んだ。虎の子の1点をもぎ取る一打がプロ初の決勝打となり「(戸郷)翔征が完璧な投球をしていたんで、何とか先制点をという思いだけです」。大阪桐蔭3年時の2017年にセンバツVを果たした甲子園。再び、歴史的快挙を成し遂げたチームの一員となった。 3回にも左前打を放ち、プロ初のマルチ安打。守りでも5回は三遊間に上がった小飛球をスライディングキャッチ、8回もハーフバウンドのゴロをさばき好守を連発した。「今までにないくらいの緊張感を1年目に経験させていただいた。翔征に感謝しています」。重圧がかかる中で堂々としたプレーを見せたルーキーに、阿部監督は「守備でも難しいゴロを処理してくれたので、素晴らしい一日になったんじゃないですか」とうなずいた。 その指揮官から与えられた「宿題」をしっかり消化している。開幕1軍入りも14打席無安打。3打数ノーヒットで2軍降格が決まった4月18日・阪神戦(甲子園)の直後、阿部監督から「もっとコンパクトに」と課題を言い渡された。ファームでは、アッパー気味だったスイングを水平に近づけるように修正し「再昇格してからも継続しながらやっている」。1軍に再登録されてから放った5安打のうち、4本がセンターから逆方向だ。 “緊張”に慣れる機会もあった。1月の新人合同自主トレ中に長野、坂本らに誘われ、他のルーキーとともに食事へ。とんかつを注文し「緊張しすぎて会話は覚えていないです」と笑ったが、これをきっかけに春季キャンプ中はベテラン2人にも積極的に質問。8日の中日戦(バンテリンD)で3点三塁打を放った長野が「それより泉口の初ヒットがうれしい」とコメントしたのを知り「めっちゃうれしかったです。僕も、ああやって言えるように頑張りたい」と決意を新たにした。 18日の広島戦(マツダ)でプロ初打点を挙げるなど、存在感が大きくなりつつあるルーキー。「打率が全然低いんでまだまだ全然、貢献していると思っていない。またチャンスをもらえたら精いっぱい頑張ります」と、がむしゃらに食らいつく。(内田 拓希)
報知新聞社