インド当局、影の銀行に新たな制約-融資・IPOに水差す可能性
(ブルームバーグ): インド当局がシャドーバンク(影の銀行)に対し新たな制約を相次ぎ課しており、融資が抑制され、活況を呈している新規株式公開(IPO)に水を差す可能性もある。
インド証券取引委員会(SEBI)はJMファイナンシャルに対し、インド企業による新規公募債発行でのマネジャー業務を行わないよう命じた。不公正な取引慣行およびマーチャントバンカーの行動規範違反を巡る疑惑が理由だ。
インド準備銀行(中央銀行)は先にJMファイナンシャル・プロダクツによる株式や債券を担保とした融資を禁じていた。
銀行監督当局はフィンテック大手、ペイティーエムの関連会社が新たに預金を受け入れることを禁止。SEBIは投資信託の販売事業者に対して小型株の過剰な乱高下から投資家を守るよう促した。
こうした当局の考え方に詳しい関係者によると、インド中銀が株式市場の資金調達に携わる大手ノンバンク数社の検査を完了すれば、新たな動きが出てくる可能性がある。
同中銀は銀行監督のため専門家から成る別のチームを編成し、より詳細で包括的な監督を行っている。
「このような措置は他のクレジット分野でも行われることが予想される」とスマートカーマを通じ「インディア・インディペンデント・インサイト」を出しているプラナブ・バブサル氏は指摘。最近の取り締まりと一部シャドーバンク株への打撃は「今後も続くだろうし、さらに強まり得る」と述べた。
インド中銀は、最近の取り締まりについてコメントを求める電子メールに回答しなかった。
あらゆる面で好景気に沸くインドだが、当局は銀行などが潜在的なリスクをより適切に管理できるようにする一方で、金融システムから過熱感を取り除こうとしている。経済成長率は6%を超え、融資やIPOの需要は急増。インド株は8年連続で上昇した後も一段高となっている。
インド中銀は数カ月前から、金融機関に対し、ガバナンスとリスク評価システムを改善するよう警告。不良債権がここ10年余りで最も低い水準にあるにもかかわらず、インド中銀は無担保融資を取り締まり、銀行にその他の融資に対する引当金の積み増しを求めている。