「問い」を深く掘り下げ 飯田文化会館で発表会 飯田風越高校 女子制服改善案も
飯田風越高校(下井一志校長、長野県飯田市上郷黒田)は21日、学校をあげて取り組んでいる「探求学習」の発表会を近くの飯田文化会館で開いた。10組の生徒が、グループや個人で設定した問いを探求した成果をステージで発表した。 昨年度まで異なる方法で進めていた普通科と国際教養科の探求学習を一本化し、市教育委員会や市公民館と連携して進めてきた授業で、1月に開いた校内発表会に続いて開催。生徒や教職員の感想をもとに10組を選んで1、2年生全員が聞き、研究に関わった人も招待した。 テーマは▽世代別に必要な栄養素▽血液型と性格の関連性について▽なぜ日本には昼寝制度がないのか▽飯田弁を残すために私たちができること▽飯田風越高校の女子制服について▽排除アートは私たちにとってよいものなのか▽よく寝よう▽コミュニケーション能力の高い人と低い人の差は何か▽若者から見た飯田市の魅力▽ストリートギターを松川に―。 このうち女子制服について調べた女子生徒2人は、72年の伝統がある制服のデザインが考案された経緯と在校生の考え、過去の改善実績、制服の変更手順を分かりやすくまとめ、発表した。 飯伊の高校としては唯一のセーラー服であり、生徒からは「伝統を感じる」「高校生らしい」「かわいい」という声が聞かれる一方、アンケートでは64・2%の生徒が「不満がある」と答え、夏服の改善を望む声は36・8%あり「真っ白でシンプル過ぎる」「袖の長さが微妙」という声が多かったと報告した。 2人は襟にラインを1本入れ、半袖とする案を例として示したほか、他地域には生徒の努力によって制服が変わった事例があり、自校にも改善に向けて行動した人たちがいたことにも触れ「探求学習だけで終わらせず、活動を続けていきたい」と意欲を示した。 本紙の記事で2人のテーマを知り、学校宛てに過去の情報を盛り込んだ手紙を送った同窓生の女性は「興味深く、面白かった」と評価した一方「他校のセーラー服が変わった経緯、全県の状況など、さらに深められるといい」と話した。 下井校長は「期待した以上に意欲的に取り組み、驚いている。先輩の優れた発表を見た1年生の積み上げも楽しみ」と来年度を見据えた。