【山口県】[光市議会]市川市長、秋の任期満了で引退へ 後継は「ふさわしい人に託したい」
山口県光市の市川熙(ひろし)市長(76)は26日の市議会一般質問の答弁で、10月20日(日)告示、27日(日)投票の市長選に出馬せず、11月13日(水)の任期満了で市長を引退する意向を表明した。後継者は「私から後継者を指名するおこがましいことは考えていないが、私が進めてきた市政の基本的な方針や運営を継承し、未来を託すにふさわしいと思える人が出てくれば応援したい」と明らかにした。(山上達也)
市議4期、市長4期で県市長会長も
市川氏は光高、早稲田大法学部卒。家業のふとん店の「まるみ綿業」の経営を継ぐかたわら、1994年から市議を4期務め、市議会議長や県市議会議長会長も経験。市長は2008年に初当選して現在4期目で、県市長会長も務めた。 自由民主党の党員だが、中国電力の上関原発建設計画には一貫して「賛成できない」と主張し、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設計画にも市議会での答弁で中電に不信感を表明した。
「まちづくりにゴールはない」
市川氏は萬谷竹彦議員(こう志会)の質問に対して不出馬の意向を明らかにしたもので「光市のまちづくりにゴールはない。このまちを愛する心、市政への情熱は就任当初からいささかも変わらないが、先行き不透明で予測困難なこんにち、私たちのまちづくりはこれまでよりも、さらに長い時間軸で考えていく必要を感じている」と言及した。 そして「こうしたことから私は、本年11月以降は次世代を担う新しいリーダーが市政をけん引することがふさわしいとの思いに至った」「現在と未来の懸け橋となる新しいリーダーに市政のバトンを引き継いでまいりたいと考えている」と引退の考えを示した。 市長選には市議会副議長の新人、笹井琢氏(57)が出馬を表明している。 市議会の休憩中に報道陣の取材に応じた市川氏は「4期目に入った時から、私の仕事は次のリーダーを探すことだと思っていた。体力的に自信はあるが、今年で77歳の喜寿になることもあり、これ以上続けるべきではないと考えた」とした。 さらに「家族には迷惑をかけた。市議になってから30年で家内と旅行したのは園遊会で上京した時の1回だけ。元気なうちに家族とのゆっくりした時間を作りたい」と話した。 この日に締めてきた赤いネクタイについて「勝負ネクタイとして締めてきた。最初の市長選に出馬した時に娘(綾乃さん)からもらった思い出のネクタイなんです」と照れながら答えていた。