年収300万円独身OLがセミリタイアまでの資産を築くまで…「勝手に貯まっていった」過程を公開、驚異の質素生活
両親の姿も見て「やっぱり仕事は生きがい」
17年から運営をスタートしたこのブログが、会社員卒業のきっかけになった。「30歳を過ぎて、私の経験やノウハウを、多くの人に知ってもらいたいと思って書き始めました。これがどんどん楽しくなっていきました」。 ここでぶつかったのが、会社員の身分であるがゆえの「時間拘束」の壁だ。「どんどん書いていきたいのに、執筆の時間が取れない。1日12時間ぐらいは仕事に費やしてしまう。この悩みに直面しました。自分の生き方を見つめ直すようになり、会社員のデメリットとして、時間の拘束が長いということに気付きました。今やっている仕事の内容は楽しいけど、会社員でいると自由が利かない。ジレンマでした」。深く考え抜いた。 「ブログを通して、投資成功者でセミリタイア生活をしている方々の存在を見聞きし、『こんな生き方もあるんだ』ということを知りました。建築デザインの仕事は業務委託としても続けていける。資産に働いてもらい、自分は自由に動く。それができるかもしれない」。人生の大きな決断をした。18年末に会社を退職。新たな選択肢の人生が始まった。 一般的にFIREは「経済的自立と早期リタイア」を意味するが、ちーさんの場合は、完全にリタイアをしているわけではなく、投資の利益と事業の稼ぎの両方から捻出している。ブログやYouTubeはしっかり収益化に成功。ゆるFIRE生活に入る前に、会社員の夫と結婚。浪費家だった夫は投資に目覚めている。 “億り人”は目前で、投資運用は順調なのだから、悠々自適に暮らしてみては? ちーさんにとって、答えはNO。「働く楽しさ」を選ぶという。 「ゆるFIREというのは、裏を返せば“ゆる起業”なんです。好きな仕事を安心して長くやるために、投資で資産を増やす。これが私の考え方です。もちろん完全リタイアも素晴らしい生き方だと思いますが、私にとっては働いている方が、喜びが大きいです。私の両親はもう70歳を過ぎていますが、年金だけで暮らせていけるのに、いまだに働いています。働くことで誰かの役に立ちたい、社会貢献をしたい。そう思っているそうです。やっぱり仕事は生きがい。私も働くことはずっと続けていくんじゃないかなと思っています」。力強く語った。
吉原知也