芸歴30年を迎えた劇団ひとりが語る意外な心中「もっと上手くできるようになると思ってた」
30年もやっていたらもっと上手くなると思っていた
――先ほども言いましたが、お笑い芸人としてとも、そのほかの面でも芸能界で成功されていると思いますが、ご本人としてはなりたい自分になれたとでも言いますか、思い描いてた自分の現在地でしょうか? ひとり:さっきの話になるけど、30年やったらもっと上手くなると思ってました。もっとあたふたしないものかと思った。現場で30年もやってりゃ。だって30年ですからね。もうちょっと上手くできんのかなと思ったけれど、いや、できないですね。あと、なんだろうな、ダラダラとかしないと思っていました。 大人になったら、すごいダラダラするんですよ。やんなきゃいけないことあるのにね。スマホ見たりとか、くだらないどうでもいい芸能ニュースとかずっと見たりとかして、なんかよくわかんないコメント欄までちゃんとつぶさに読んだりして。こんなことで時間を消費するような大人になっている予定じゃなかったんですけどね。あと、夜寝る前とか暴飲暴食するつもりもなかったし、寝る前にポリンキー要らないだろうって(笑)。 ――それはかなり意外です(笑)。 ひとり:ちょっと3分の1だけ食べようと思っていたのが、全部食べちゃったりとかね。ああいうところが、なんかちょっと情けないですよね。もうちょっと自制できる大人になっていると思ってたし。今日も朝起きたら「紗々」っていうチョコレート、一箱食べちゃいましたから。 本当は2枚くらいの予定だったのに、ついつい一箱丸々食べちゃったんです。子どもには「2枚だけだよ」とか言いながら、自分は一箱食べているんです。ああいう時にダメな大人になったなと思うんです。もうちょっと、お坊さんぐらい自分を律することができるようになってるつもりだったんです。47歳にもなれば。でも、あんま変わんないですね。そこら辺のだらしなさ。
大人として、当たり前のことをちゃんとしたい
――ひとりさんが想像していた40代後半とはかなりのギャップがあったと。 ひとり:歯も磨かないで寝ちゃうとか絶対しないと思ってたんですけど、やっちゃいます。今日はいいやと思って。酔っぱらってる時とか。子どもには言うくせに、自分は歯磨かないで風呂入んないで寝たりするから、ああいうところが情けないし、下手したらこんなん俺、70歳になってもやってんのかなと思ったりする。 ちょっと今日は眠いから明日風呂入ろうとか言って、そこにちょっとガッカリします、自分に。やっぱり大人になったら、自分をちゃんと律すること、歯磨きはちゃんとしたいです。嫌ですね、自分が最後、死ぬ直前に歯磨かないで死ぬの。ちょっと歯磨くのめんどくさいからって言ってるうちに死ぬのなんか嫌だから(笑)。 ――ちゃんと生活するようになりたいと(笑)。 ひとり:当たり前のことをちゃんとしたいですね。歯磨きを1日3回して、ちゃんと夜寝る前にお風呂入るっていう。40代後半ですけども、それを目標に生きていこうと思います(笑)。 <取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃> 【トキタタカシ】 映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
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