コロナワクチンを“217回”接種した男、副反応・検査での異常なし? 驚きの調査結果が明らかに
ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクらによる研究グループは、「新型コロナウイルスワクチンを約2年半で217回接種した」と主張するドイツ人の男性の状態を調査した研究結果を発表しました。この内容について中路医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
今回発表された研究内容とは?
編集部: フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクらによる研究グループが発表した研究内容について教えてください。 中路先生: 今回紹介する研究はフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクらの研究グループが実施したもので、学術誌「The Lancet Infectious Diseases」に掲載されています。 研究グループは、ドイツのマクデブルクに住む62歳の男性が個人的な理由から、29カ月間で新型コロナウイルスのワクチン接種を217回おこなった事例に着目しました。この男性の接種はまさに過剰接種と言えるものですが、臨床研究の枠外で、国のワクチン接種勧告に反しておこなわれたとのことです。ワクチン接種の全日程を通じて男性から副反応の報告はなく、検査でも異常を示さなかったとのことです。また、新型コロナウイルスへの感染もなかったことが明らかになっています。 研究グループは報道を見て、この男性の存在を知り、研究への協力を打診しました。その結果、男性から血液と唾液のサンプルを新たに提供され、ワクチン接種後に採取された血液サンプルの一部について調査することの許可を得ました。男性は、研究協力後もワクチン接種をおこない、ワクチン接種後の血液サンプルも研究グループに提供しています。研究の結果、ワクチン接種を繰り返したことによる免疫機能の低下は、この男性には起きていなかったことがわかりました。推奨されている新型コロナワクチンの3回接種を受けた対照群3人と比べると、男性の方が新型コロナウイルスに対する免疫細胞の量と抗体の量が高かったとのことです。さらに、217回目のワクチン接種も免疫細胞に影響を及ぼし、その結果、新型コロナウイルスに対する抗体が大幅に増加しました。 ただし、研究グループは、今回の事例のような過剰接種について「我々は適応免疫を高める戦略として、過剰なワクチン接種を支持しない」と注意喚起をしています。