米国債市場のトレーダー、弱気に傾斜-成長期待高まり利下げ観測後退
(ブルームバーグ): 米経済の堅調さを示す新たなデータを受けて、米金融当局の金利政策の見通しが再調整される中、債券トレーダーが弱気な投資に傾斜し、米国債相場を急落させている。
JPモルガン・チェースの最新顧客調査によると、4月1日終了週に米国債のアウトライトのショートポジションは年初来で最大に増加した。こうした弱気心理は今週も広がっており、米10年債利回りは2日に一時4.4%と、昨年11月以来の水準に上昇した。
ここ数日に公表された経済データは、製造業と雇用の堅調さを示し、勢いを増す米国の回復力を裏付けた。インフレの根強さや原油などの商品相場の上昇も相まって、金融緩和の時期と規模に関する投資家の予想がさらに後退し、高金利の長期化に投資家は身構えている。
コロンビア・スレッドニードル・インベストメントの金利ストラテジスト、エド・アルフセイニ氏は、米国債市場の背景を形成しているのは「成長期待の高まりだ」と述べた。
米国債先物市場も同様だ。CMEグループのデータには、1日の債券安を受けてトレーダーが先物の大部分で新規ポジションを積み上げ、ショートが増加したことが示された。一方、オプション市場では、長期債相場の急落に備えるヘッジコストが2月末以来の高水準に達した。
トレーダーの間では現在、米金融当局による今年の利下げ幅は約65ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と見込まれている。連邦公開市場委員会(FOMC)が3月会合で示した金利予測の中央値では75bpの利下げが示唆されており、市場予想が中銀予測よりハト派的だったここ数カ月の基調から転換した。
原題:Bond Traders Load Up on Bearish Wagers as Rate-Cut Odds Dwindle(抜粋)
--取材協力:Michael Mackenzie.
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Edward Bolingbroke