64で好発進した河野祐輝

　◇男子ゴルフ　プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品第1日（2024年6月20日　栃木県西那須野CC＝7036ヤード、パー72） 　QTランク72位の資格で今季ツアー初出場した河野祐輝（36＝NTT西日本アセット・プランニング）がキャディーをつけないセルフプレーで64をマークし、8アンダーの2位と好発進した。首位とは1打差。プロ17年目でのツアー初優勝を目指す。63をマークした金子駆大（21＝フリー）が9アンダーで単独首位に立ち、石川遼（32＝CASIO）は66で6アンダーの6位につけた。 　セルフプレーで電動カートを押していると、河野はスプリンクラーのへこみに右足を取られた。「パキッ」。インから出て序盤の16番での出来事だ。「逆に力が抜けてショットが良くなった」。直後の17番パー3で第1打を70センチに寄せてバーディーを奪って波に乗る。足を引きずりながらのプレーで実に9年ぶりのボギーなしラウンド。まさに“ケガの功名”で「足をくじいたおかげ」と笑った。 　今年でプロ17年目を迎える。下部ツアーでは3勝を挙げており、12年には賞金王にもなった。カピバラに似ていることからあだ名は「カッピー」。主戦場は下部だが、QTランク72位で今季初めて出場機会を得た今大会で躍動中だ。前週から投入した新パターも好調で、「数年ぶりくらいにパットが入ってくれた」と喜んだ。 　今季目標は下部賞金ランク上位に入って来季前半戦シードを獲得すること。もちろん今大会で初勝利をつかめたらベストシナリオだ。「すぐ調子に乗るんで、調子に乗らないようにします」。陽気な36歳はそう言って気を引き締めた。　（中村　文香） 　◇河野　祐輝（こうの・ゆうき）1988年（昭63）5月20日生まれ、愛媛県出身の36歳。父の影響で12歳からゴルフをはじめ、香川西高では片岡大育と同級生。高校卒業後はオーストラリアに1年間ゴルフ留学し、帰国後の08年にプロ転向した。12年に下部ツアーで2勝を挙げて賞金王に輝く。ツアー最高成績は13年長嶋茂雄招待セガサミー・カップの2位。1メートル71、75キロ。 　▽セルフプレー　キャディーを帯同せず自身1人でプレーすること。20年にコロナ禍で密を避けることなどを理由に電動手押しカート、自らキャディーバッグを担ぐセルフプレーの特別規定がもうけられた。ツアー競技としては同年9月のフジサンケイ・クラシックで初採用。21年の今大会で片岡尚之がカート、同年ミズノ・オープンでJ・パグンサンが担ぎで優勝している。今週は47人がセルフプレーを行う。 《石川遼　初マイク6位「ちょっと緊張」》 　○…石川がツアーで初めてネット中継用にマイクをつけてプレーし、66で6位と好位置につけた。選手会主催の今大会で実行委員長を務めており、自ら手を挙げたことで実現。「ちょっと緊張した。映像を通して面白いと思ってもらえたら」と語った。後半9ホールでピンマイクを装着。11番では第1打を左に曲げながらパーセーブすると「ハードワークしたなあ」など、普段は聞こえないつぶやきを耳にすることができた。「明日もやります！」と第2日も実施する。