尼崎ボート・SG「第34回グランドチャンピオン」 土屋智則が通算2度目のSG優勝「セット交換が功を奏した」
◇30日 ボートレース SG「第34回グランドチャンピオン」最終日(SG、兵庫・尼崎ボート) 12Rで優勝戦を行い、1号艇の土屋智則(39)=群馬=がインからコンマ13のトップSで逃げを決め、昨年の第58回ボートレースクラシック以来となる通算2度目のSG優勝を果たした。賞金3600万円を獲得し、同ランクはレース直前の60位から5位に浮上した。 あっと言う間の独走劇だった。インからレバーを当て、トップでスリットを通過した土屋が行き足をグイグイ伸ばして1Mを先取ると、誰も寄せ付けない完封ショーをみせた。駆けつけた1万人を超えるファンの大歓声を背に受けながら、SG2冠のゴールをガッツポーズで駆け抜け、「今まで経験したことがないお客さんがいて、レースをしているときもすごい声援が聞こえてきた。それが励みになった」。ウイニングランでは感謝の投げキッスを連発した。 エンジンさまさまだ。今節は大手術とも呼ばれる”セット交換”に着手した選手が半数近くの24人。成功例が多かったのも事実だが、機力相場が目まぐるしく変化する激動シリーズとなった。土屋は4日目の予選ラストでセット交換。それからは実戦パワーが劇的上昇カーブを描く。その勢いで準優、優勝戦ともに1号艇のVロードを歩み、「スタートして余裕があったし完璧。セット交換が功を奏して全部が良くなった。100点です」と4号機に惜しみない賛辞を贈った。 獲得賞金ランクは5位まで順位を上げ、2年連続となるグランプリ出場はほぼ決定。「去年はクラシックを優勝して守りに入ってしまった。大敗して悔しさしかなかったグランプリを射程にとらえたし、そこを目指して頑張る。去年よりひと回り成長したいい一年になる。賞金ランク6位以内とかじゃなく1位を狙う」。昨年はトライアル1stで(6)(6)着敗退と苦杯をなめた。屈辱的な経験をした悔しさは住之江に置いてきたままだ。今年こそは、その”忘れ物”を取り戻しにいく。土屋の壮大な雪辱物語の幕が尼崎で開いた。
中日スポーツ