GT-R恐るべし! 国内レースでは一度も使用されなかった幻のブーストがあった|スペシャルインタビュー 長谷見 昌弘
【スペシャルインタビュー 長谷見 昌弘】 レーシングカーの世界で、速すぎて困った、というのは普通あり得ないことで、ぜいたくな悩み以外の何ものでもなかった。しかし、当時のGT-Rはそれほど速く、強かった。 【画像5枚】レーシングカーの世界で、速すぎて困ったということはそうそうないだろう 「もうひとつ、決定的なことがありました。予選ブーストです。レース仕様は1.6の設定でしたが、予選用に1.8の設定が準備されていたのです。しかし、先ほども言ったように、レース用の1.6ブーストでさえ速すぎて、段階的に下げて使ったわけですから、1.8は幻のブースト圧。国内レースでは1度も使われたことはありませんでした。 ですが、私はGT-RでマカオGPのギアレースに参戦しているんです。個人的な参戦でしたが、この予選で1.8ブーストを使ったのです。それはもう凄まじい速さ、加速力でしたね」 長谷見は、このレースを圧倒的なペースのポール・トゥ・ウィンで制した。そして翌年も参戦することになるのだが、その際、GT-Rのあまりの速さに恐れをなした主催者が、100kg以上のウエイトハンディを課したのである。 「生産車の状態でフロント回りの空力パーツがもっと充実していれば、あと1~2秒は速く走れたと思うよ」 GT-Rは完全無欠のグループAカー? という最後の問いに、長谷見はこう答えてくれた。底知れぬGT-Rのポテンシャル。GT-R恐るべし! 初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部