左＝LDK+の外観／右＝LDK+の内装［クリックで拡大］

　シャープは2024年9月17～18日、シャープの技術展示イベント「SHARP Tech-Day’24 “Innovation Showcase”」を開催し、同月6日に発表したEV（電気自動車）のコンセプトモデル「LDK+」（エルディーケープラス）を展示した。鴻海科技集團（Foxconn）と連携し、EVのオープンプラットフォームをベースに企画／開発された。また、京都府京都市に本社を置くEVメーカーであるフォロフライの開発協力も受けている。2020年代の市場投入を目指す。 左＝LDK+の外観／右＝LDK+の内装［クリックで拡大］ 　LDK+は、車内を「リビングルームの拡張空間」として捉え、停車中の快適性にフォーカスしたEVだ。ドアが閉まると両サイドの窓に搭載した液晶シャッターが閉まり、外からの視線が気にならないプライベート空間を創出する。車内後方には65V型のディスプレイや収納可能な机を搭載していて、後部座席を回転させることでシアタールームやリモートワークスペースに変身する。また、シャープ独自のAI（人工知能）技術「CE-LLM」を搭載していて、ユーザーが日常で使っている家電を通じてAIが学習し、好みに応じて空調や明るさが自動で調整される。展示品は前方2席、後方3席の5人乗りで、ワンボックスカーに近いサイズだ。 　同社担当者は、EV開発における強みについて「家電を通じて得た家の中の情報を活用できることだ。正直、自動車の性能面で自動車メーカーと勝負することは難しい。一方で、快適空間の創造という観点では、シャープが培ってきた技術と知見が生きると考えている」と語った。また、キャンピングカーとの違いについて「LDK+は、宿泊を前提としない自動車だ。普段使いを想定し、大きさも一般的な自動車サイズに納めている」と説明した。 　今回展示したLDK+はコンセプト段階のものだ。今後、顧客の反応を確認しつつ、大きさや最大搭乗人数、搭載する蓄電池の容量、無線通信の通信強度などを調整する。また、必要に応じて、ペロブスカイト太陽電池の搭載や、自動運転への対応も検討するという。