【楽天好き】地味だが奥が深い「投内連携」の練習。川崎憲次郎さんのキャンプ解説。
「ただし、サインが出ていようと、投手が難しいとか無理だと思ったら投げないという選択をすることもあります。無理をするとミスになる可能性があるからです。当然、ミスすればランナーが進塁してしまいますから」
ちなみに、サードの牽制があまりない理由についても説明してくれた。「第1にリスクになるから。暴投になれば、得点が入ってしまうのでリスクが高い。(前述のように)右投手にとって、サードへの送球は最も難易度が高いですしね。そもそも右投手は、三塁に身体を向けているため、捻りが加わらず球速も出にくい。成功率も低いので、サードへの牽制球は少ないんです」。
◆年1回あるかないかの特別な連携プレー キャンプ中に必ずあるのが、非公開の練習。この時にはサインプレーなどが行われているが、なかには年に1度あるかないかという特別な連携プレーを練習することもあるという。川崎さんは説明する。
「年に1度あるかないかのために、この時期のキャンプで一生懸命に練習します。こうした特別プレーをやる時というのは、突発的だったりするので、チームで1人でもわかっていないと成功させるのが難しくなってしまうんです。だからこそ、非公開できっちり練習して、シーズン中に備えるんです」。
一見すると、わかりにくく地味にも見える投内連携。その難易度やプロならではの特別プレーがあることは、なかなか知る機会がない。そういった解説が聞けるのもキャンプ中継ならではなのだ。
文:松山ようこ
松山 ようこ