ジャガイモ24品種を育てて、食べ比べてみました!「ゆでる」部門の結果は?
じつはジャガイモにはたくさんの品種があるって知っていますか? ホクホク系やしっとり系、味の濃厚なものから皮の赤いものまで、その特徴はさまざま。料理研究家の大庭英子さんにご協力いただき、タネイモが手に入った24品種を、やさいの時間テキスト編集部で栽培して食べ比べてみました。 みんなのジャガイモ栽培の写真 『やさいの時間』2024年2・3月号のジャガイモ特集では、「ゆでる」の部、「蒸す」の部、総合評価を発表しています。王道品種から珍しい品種まで名誉あるトップに輝くのは果たして......。 ここでは「ゆでる」の部の結果を、抜粋してご紹介! 香りや甘みなども加味した「おいしさ」5選をご報告しましょう。
ゆでて、食感&煮崩れを検証
ジャガイモは粉質、粘質の2タイプに分けられ、粉質系は「男爵薯(だんしゃくいも)」に代表されるようにホクホク、粘質系は「メークイン」に代表されるようなねっとりとした食感が特徴です。ジャガイモのおいしさの要ともなる食感を、ゆでて食べ比べました。 ホクホクなのか、ねっとりなのかの食感を確かめるだけでなく、ゆで上がりの状態も見定めるため、皮をむいて一口大に切り、水からゆでました。ポイントはゆでる前に水にさらすこと。ジャガイモの表面についているデンプン粉を落とすためです。デンプン粉がゆで汁に拡散すると、表面だけに火が通ってしまうなど均一に火が通らなかったり、中まで火を通すのに時間がかかり、結果、煮崩れの原因になったりするからです。
同じくらいの大きさに切ってから10分間の浸水タイム。皮をむいてみると、白っぽい、黄色を帯びている、オレンジ、紫、と色の違いにびっくり。 公平を期するため、メンバーには調理したジャガイモはランダムに割り振った1~24番の品種番号のみを伝え、品種名は隠したまま食べ比べて評価しました。
「ゆでる」の部、おいしさ高評価5選はこの品種でした!
【アイユタカ】 口に入れると甘い香りが口の中に広がり、飲み込んだあとも余韻が長いのが印象的。舌触りがなめらかで、穏やかな甘みもあり、バランスのとれた味わい。 【インカのめざめ】 サツマイモのような濃い黄色は見ただけでおいしさを感じる。栗のような甘い香りやナッツのような香ばしい香りが際立ち、食べ終わったあとの余韻も長い。 【アローワ】 肉質がしっかり詰まっているような凝縮感がある。舌触りはなめらかであっさりしていて軽やかなおいしさ。どこかシャキッとした食感もあり、食べていて楽しい。 【グウェン】 なめらかな舌触りでクリーミーな印象。ほのかに土の香りも漂い、味に奥行きを感じる。牛乳や生クリームなど乳製品との相性がよさそう。 【ドラゴンレッド】 皮だけでなく中もピンクなので見た目にも惹かれる。味は意外にさらりとしていて、甘み、うまみとも穏やか。ポタージュスープにしたら食卓に映えそう。 「今年の春の栽培、何から始めよう......」それならジャガイモがおすすめです! 小さなタネイモからたくさん収穫できて、手間が少なく、育てるのは簡単。それなのに奥深い魅力を秘めた野菜です。2・3月号では、ジャガイモ料理が楽しくなる、品種の個性を活かした大庭さんのレシピも紹介していますので、どうぞ参考にしてください。 ●『やさいの時間』2024年2・3月号 ジャガイモ特集「ジャガイモ24品種 食べ比べてみました!」より