人口減少の被災地「洗髪の姿を見て涙出そうに…」これからの美容室を思い描く能登の美容師たち
能登半島地震の被災地では、断水などの影響で美容室の営業もままならない状況が続いています。こうした中、全国でも珍しい「動く美容室」が石川県輪島市に訪れ、カットやシャンプーなどを無償で行うボランティアが行われ、被災地の美容師が新たな夢を思い描いています。 【写真を見る】人口減少の被災地「洗髪の姿を見て涙出そうに…」これからの美容室を思い描く能登の美容師たち 輪島市門前町の道下地区に現れたキャンピングカー。広島県の美容室Hana Hairが所有する「移動美容室」です。オーナーの栗栖千花さんと地域の美容師が、今月9日から4日間この車両で市内各地を回りカットやシャンプーなどを無料で提供するボランティアを行いました。 移動美容室で働くのは、輪島市鳳至町の美容室hairMossの酒井透さんと、妻の実来さん。店舗は地震の被害を免れ、2月1日に営業を再開しましたが、断水が続いているため、カットだけ行っている状態です。2人は輪島市内の避難所で美容ボランティアをしましたが、この経験がお店の将来について考えるきっかけになったと話します。 ■被災地の未来に必要な美容室とは 酒井実来さん「1月の後半は、まだお風呂入れてない人が居たんですよ。どうにかそういう方たちにシャンプーだけでも…って思って、今回の話があった。もう一回、この間その避難所に行けたんです。頭を洗って貰えている姿を見たら、なんか嬉しくて涙出そうになって。なんか良かったなって思って」 酒井さん夫婦は「移動美容室がこれからの能登に必要なのでは」と考え、キャンピングカーのレンタルやカーシェアなどを行う「カーステイ」を通じ、栗栖さんとともに、期間限定で移動美容室を使ったボランティアを行うことになりました。 最終日の12日も、大勢の人が避難所などからやってきました。 美容師「11時空いてるんですよ」 客「ほんなら11時にお願いします。来ます」 最終日に利用した人からは「あっさりしたー!涙出るわ本当に、こんな事思ってもみなかったことで」といった声や、「大変嬉しいです!こんなにスッキリした!」といった声が聞かれました。