「発達障害」を隠して就職したほうが有利なの? 本人にも職場にも有効な「就労支援」の3つの柱とは
発達障害であることを企業に伝えたほうがいい?
発達障害があり、就労支援を受けて就職をめざしているという人は、今後働く企業には、障害やその特性のことを基本的には伝えたほうがよいでしょう。 就労支援を必要とする人は、就職の難しさや、就職したあとの働きづらさなど、働くことへの困難を感じている人です。 困難の背景には発達障害があって、自分の努力や工夫だけでは働きづらさを十分に解消できなかったために、苦しみ、就労支援を必要としているわけです。 そのような状況にいる人が、障害やその特性を一切伝えず、理解を求めずに働こうとすれば、また苦しい思いをすることになってしまう可能性があります。 企業には本人と支援者から、発達障害やその特性のことを伝えるようにしましょう。本人は自身の特性を理解し、支援が必要なことを、自分自身の意思として説明してください。 情報を整理して口頭で伝えるのは難しい場合もあります。事前に支援者と相談し、内容を書面にまとめておくとよいでしょう。企業には意思を伝えたうえで、用意しておいた書面を渡すようにします。 支援者は本人の話を補ったり、書面のくわしい内容を話したりして、説明をサポートします。 より正確な説明、根拠のある説明という形で、医師から診断書や意見書をもらって企業に提出するという方法もあります。 発達障害や特性を企業に早く伝えれば、早く理解を得られます。伝えるのは、早ければ早いほどよいでしょう。 まずは通常の雇用で就職し、問題が起きたら発達障害のことを相談しようという順番では、対応が後手にまわります。 その段階で特性を説明し、業務内容などについて配慮を得ようとしても、難しい場合もあります。 就労支援の段階で、相談やオフィスワーク、職場実習などを通じて、支援の必要性を確認しておきましょう。 本人が支援の必要性を感じたのであれば、それを企業側に伝える形で就職活動を進めましょう。障害者雇用を選べば、早く正確に伝えることができます。 続きは<あなたの「働きづらさ」を救ってくれる人はたくさんいる! 「就労支援」に救われたASD女性の真実>にて公開中。
梅永 雄二(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)