「鳥肌が立ったワケは…」令和の女子大生が初めて『北斗の拳』を読んでみた「驚きの感想」
■敵ザコが一目瞭然なのが面白い! そして女子は今も昔もあの人が好き…!?
『北斗の拳』はケンシロウをはじめ、筋骨肉隆々の男たちがたくさん登場する。娘は誰が北斗で誰が南斗なのか、また雲のジュウザや泰山天狼拳のリュウガは敵か味方かを理解するのがちょっと難しいと言っていた。確かにこのあたりをしっかり理解するには、何度か読みかえす必要があるかもしれない。 そんな複雑な立場である主要キャラとは別に、娘が気に入っていたのがザコキャラたちである。「ザコは登場した瞬間に悪者というのが分かりやすくて面白い! 主要キャラのバトルは結構長いのに、ザコは2~3コマでだいたい爆発しちゃう。そのギャップが凄いよね」とのこと。 『北斗の拳』はザコキャラが主役のスピンオフ作品も登場しているが、やはり令和っ子にとっても強いインパクトとなったようだ。 そして娘がもっともカッコ良いキャラとして挙げたのが、南斗水鳥拳のレイである。「好きな女子(マミヤ)のために体を張るのはカッコいい! 死ぬ姿も最後までプライドをつき通したし、ユダとの戦いも良かった」とのこと。 昔を思い返してみると、筆者をはじめ『ジャンプ』で連載中の『北斗の拳』をひっそりと読んでいた女子は多かった。そんな女子の多くは、“レイ推し”であった記憶がある。やはり昔から女子に人気のキャラは、時代など関係なくモテるのだろう。
■あの人の死に方にショック…なぜリハクはケンシロウとラオウの戦いを止めない?
『北斗の拳』についてほとんど知らない娘だが、唯一知っていたのがラオウであった。その理由は、野球好きの彼女がオリックス・バファローズの杉本裕太郎選手の“ラオウ昇天ポーズ”を見ていたからである。 それだけに、ラオウの最期を読んだ時は「えっ! ラオウは自分で命を絶っていたの?」と衝撃を受けていた。あのポーズはケンシロウに攻撃を受け、瀕死の状態で繰り出したと思っていたらしい。それでも自身で自分の秘孔を突くシーンには“やっぱりラオウらしい”と驚嘆し、「さらばだ ケンシロウ」というセリフに鳥肌が立ったそうだ。 ラオウの死によって、長きに渡った北斗兄弟の戦いは終わった。しかし娘は物語終盤にたびたび登場していた五車星・海のリハクの行動にちょっともやもやしたという。 部屋中に爆発を仕掛けた結果、ユリアがラオウに捕まってしまったり、ケンシロウは目が見えにくくなったり。さらに急げば2人の戦いを止められそうなのに「間に合ってもふたりの戦いを止めることはできぬって……もうちょい頑張ってほしかった」と、残念がっていた。 できれば悲しい結末ではなく、最後は兄弟が和解するなど平和に解決してほしかったようだ。 娘にとって『北斗の拳』は「面白いけど、痛々しいインパクトもある作品」だったそう。現代でも過激な描写漫画は多いが『北斗の拳』は画力がずば抜けていることもあり、リアルに痛さが伝わってきたとのことだ。 とくにケンシロウの仲間であるシュウやフドウが痛めつけられるシーンは、なかなか直視できなかったという。それでも作中に出てくるリンやマミヤ、ユリアといった女性陣の美しさに救われたようだった。 令和っ子にとって『北斗の拳』は、いろいろな意味で衝撃的だったようだ。現代のヒーロー像とは異なるケンシロウ。だが、娘がその活躍に胸を躍らせていたのは間違いない。 歴史に残る昭和の名作を最後まで読んだとき、どんな感想を持つのだろうか。『北斗の拳』のいちファンとして、楽しみに見守っていようと思う。
でかいペンギン