【美浦便り】原優介とセイウンプラチナ…願いよ届け!「7月7日」の七夕賞は5歳馬が強い
七夕といったら、短冊への書き込みじゃないでしょうか。小学生だったはるか昔、毎年の学校行事で願い事をササ飾りにぶら下げていた思い出があります。「ケーキ屋さんになりたい」「サッカー選手になりたい」「みんなが健康で過ごせますように」。みんなが思い思いの夢や希望をしたためる中、自分はくだらないことを書いていました。「世界征服」。それも、汚い字で。思い出すと顔が熱くなってきます。 今年の七夕賞は7月7日の七夕当日に行われます。7月7日のレース開催は19年以来、6回目。00年以降は02年イーグルカフェ、13年マイネルラクリマ、19年ミッキースワローと5歳馬が3回続けて勝利を収めています。今年出走する5歳馬は7頭。セイウンプラチナ(牡5、千葉)に騎乗する原優介騎手(24)は、短冊にその年のクリスマスプレゼントの希望商品を書いていたそうです。当時の原少年、なんてかわいらしいんでしょう。 セイウンプラチナは小桧山厩舎の定年解散とともに、今年3月に千葉厩舎へと転厩。前走ドゥラメンテCの逃げ切りでオープン入りを果たしました。千葉厩舎にとっては、厩舎初勝利の馬での重賞初挑戦。原騎手にとっては、かつての師匠の元管理馬での重賞初Vがかかる一戦となります。この日の朝、原騎手は「逃げるのは決めています」と静かにハナ宣言をしました。 昨年、ウィルソンテソーロとのコンビでチャンピオンズC、東京大賞典で連続2着。今年もフラワーCでホーエリートと2着。そろそろ重賞タイトルが近いのでは、と思わせてくれます。原騎手は「今は雰囲気が良くなってきました。かみ合ってきたというか。チャンスのある馬。シンプルに狙える馬だと思っています」といいイメージを持って臨む一戦。短冊に願い事を書かなくても…。自らの力で勝利をたぐり寄せる熱い騎乗を期待します。【松田直樹】 ◆連覇なるか セイウンプラチナは西山茂行オーナーが所有し、鮫川啓一牧場の生産。牝系をたどると、フロリースカップという小岩井牝系の出身で、昨年の七夕賞を勝ったセイウンハーデスのおじという血統背景を持っている。自身は昨年7月23日の福島で白河特別を勝っており、実績的にも血統的にも夏の福島は最高の設定だ。