琉球放送

エマニュエル駐日米国大使が17日、与那国島と石垣島を訪れ糸数健一町長と面談したほか、自衛隊施設などを視察しました。 【写真を見る】駐日米国大使が与那国・石垣訪問　軍も同行　識者は「軍事力展開をいとわないような意図を中国に発信」 17日午前10時半過ぎ、与那国空港に到着した米軍機。降りてきたのはエマニュエル駐日米国大使です。 エマニュエル大使の与那国訪問は視察が目的で、県は米軍に対し「緊急時以外の民間空港の利用自粛」を求めていましたが、聞き入れられなかった格好です。空港前には大使の訪問に抗議する人の姿もー ▽エマニュエル大使の与那国視察に抗議する人 「このままの与那国で人々が安心して暮らせるそんな島になっていってほしい。ここに米軍はいりません。そういう気持ちで来ました」 その後エマニュエル大使は、気象条件が良ければ台湾を望むことができる西崎灯台で糸数町長と面談し町長から島の立地などについて説明を受けました。 ▽エマニュエル駐日米国大使 「私が与那国島を訪れた最初の駐日米国大使になりますが、私が最後になることはないでしょう」 「経済安全保障と抑止力はセットです。私たちは武力行使が社会的秩序のルールを越えてはいけないと思う。抑止力はその鍵になる。」 その後、大使は自衛隊の与那国駐屯地を訪問し隊員らと昼食を共にしました。 また、地元漁協の担当者とも面談し、台湾に近い与那国周辺海域での漁の状況などについて話を聞きました。 ▽大使「中国の漁船とかに会うことはありますか?頻度は?」 ▽漁協関係者「台湾漁船の方が多いです。ただ私たちが懸念するのは2022年にミサイルが着弾して以降、中国の台湾有事が起こるのではないかという話題が多くて」 約4時間半の滞在の後大使は石垣島に移動。石垣海上保安部の大型巡視船「やえやま」に乗り込み船を視察したほか自衛隊の石垣駐屯地を訪れました。 大使の先島諸島への訪問は日米の連携をアピールする狙いがあるとみられますが、住民からは反発の声もあがっています。 与那国島での軍事増強を推進する立場の糸数町長は終始大使と楽しそうに話す 姿は見せましたが、報道陣の問いかけには応じず、住民からの質問にも答えませんでした。与那国島を有事の際の対応拠点と位置づける風潮が強まるなか、行政の住民に対する姿勢が問われています。