米、アルツハイマー薬を承認 「ドナネマブ」、日本で申請中
【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は2日、米製薬大手イーライリリーの新たなアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の製造販売を承認したと発表した。脳内にたまったアミロイドベータという有害タンパク質を取り除く薬で、使用開始後1年半の時点で症状の進行を22%抑える効果を示した。1年分の費用は3万2千ドル(約510万円)。日本でも承認申請している。 認知症の原因とされる物質を除去する薬としてはエーザイのレカネマブに続く実用化。エーザイの薬は月2回点滴し、その後も頻度を落として投与を続ける想定なのに対し、リリーの薬は月1回で、有害タンパク質が除去できれば使用をやめられる。臨床試験では1年で半数弱がこの水準に達したが、やめた後にいつ再投与が必要になるかはまだ分かっていない。 対象は、年齢だけでは説明できない物忘れが現れた軽度認知障害から、生活に支障が出始めた早期認知症の人。 60~85歳の1736人が参加した臨床試験では、日常生活を送る力や認知機能が落ちていくスピードを22%抑えた。