白馬で大型バイクのフェスティバル 3000台以上が集結
長野県白馬村で9日から2日間の日程でバイクのフェスティバルが開かれ、全国から3000台以上のバイクが参加しました。そのイベントは、ドイツの自動車メーカーBMWのバイク部門による「BMWモトラッド(ドイツ語でバイク)デイズ」。国内では小排気量バイクを中心に販売不振が目立ちますが、排気量が大きいBMWやハーレーなどのバイクは中高年層を中心に底堅い人気があり、この日も家族連れなどが訪れて活気を見せていました。 【写真】“バイクのバブル時代“今は昔 人気復活へ多様性に活路
関東や関西からツーリング楽しみながら
BMWのバイクを中心に他メーカーのバイクも参加できる催しとして毎年白馬村で開催。地域おこしの一環として長野県や白馬村なども後援しています。新車の展示や試乗会、鈴鹿8耐参戦マシンの展示、バイクグッズの販売、バーベキューやパーティーなど2日間のイベントは多彩。会場には女性ライダーや子どもたちの姿も目立ちました。
静岡、愛知など近県や、東北、関西など遠方からツーリングを兼ねて会場に着いたバイクで駐車場はいっぱい。長旅で荷物が多いバイクは、大きなバッグや金属製のボックスを幾つもバイクに据え付けて万全の備え。 横浜から小学生の子どもとタンデム(2人乗り)で4時間以上かけてバイクを走らせてきたという男性は、「子どもは慣れているので、いつも一緒にツーリングしています」。
40~60代の女性3人は、愛知、静岡、長野にそれぞれ在住で、若いころからのツーリング仲間。BMWの大型バイクで時々、数日か1週間の旅を楽しんでいます。「1日500キロから600キロは楽に走れる。大型バイクは疲れないので、旅に最適です」。 なぜバイクに? 3人の女性ライダーは「“家出”できるから。いろいろ雑事に振り回されている日常から離れて、自分の世界が取り戻せるのが一番ですよ」とそろって話していました。
排気量751CC以上はツーリング目的が8割
日本自動車工業会が2015年度に行った二輪車の市場動向調査(過去1年間に新車を購入した二輪ユーザー10401人対象に郵送調査。回収率49.6%)によると、二輪ユーザーの平均年齢は52.9歳で中高年層が中心。 二輪の使用実態では、「通勤・通学」が約半数を占める一方、排気量が大きくなるほど「ツーリング」の使用目的が増え、排気量751CC以上では「ツーリング」目的が8割を占めます。中高年の大排気量バイク所有者の間で、趣味としてのツーリングが人気を失っていないことがうかがえます。 また、動向調査によると中古車を買う人の8割は国内メーカーを求めているものの、排気量が751CC以上の購入者では外国メーカーの割合が高く、国内メーカーは4割にとどまっています。大排気量バイクの利用者は実用よりも、趣味性の高い目的で購入したり利用していることが分かります。この日のイベントでもその傾向が裏付けられていました。 バイク販売の不振の一方で、大型バイクを中心に二輪車復活のきっかけになるかどうか、利用者の今後の動向が注目されそうです。
------------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説