<ウクライナ侵攻総司令官に逮捕状>ロシア軍崩壊は始まっていた?ゲラシモフ就任時の実情を解説
組織として崩壊状態に陥る危険性
私兵集団を操る強硬派にロシア軍が批判を浴びるさなかで、プーチン氏が強行したゲラシモフ参謀総長の総司令官任命は、そのような批判を封じ込め、ロシア軍を立て直す意図が強く伺える。前任のスロビキン大将がわずか3カ月で副司令官に降格された背景には、スロビキン氏がプリゴジン、カディロフの両氏と緊密過ぎたからだとみられている。 ただ、ロシア軍をめぐる状況がここまで厳しくなるなか、ワグネル、チェチェン兵らを押しやる形で形勢を立て直せるかには疑問符が付く。ロシア軍は間もなく総攻撃に打って出るとの見方もあるが、武器・弾薬の補給面で深刻な問題を抱える中、その成否は見通せない。 大規模攻勢をかけて失敗するような事態になれば、ロシア軍が受けるダメージは単に兵力の損失という次元では済まない。ロシア軍は組織として立ち直りが効かないほどの打撃を受けることは確実だ。
佐藤俊介