<朝ドラ>ヒロインオーディションの“あるべき姿”か 「ばけばけ」高石あかりの抜てきに歓迎の声が上がったワケ
ヒロインオーディション自体が行われなかった作品も多く、9月に最終回を迎えた2024年度前期「虎に翼」の伊藤沙莉さん、現在放送中の同後期「おむすび」の橋本環奈さんもキャスティングよる起用。「朝ドラ=若手女優の登竜門」としてのイメージが、2010年代半ばあたりと比べ、だいぶ薄らいでしまったのは間違いない。
◇大方の予想を覆した(?)高石あかりに高まる期待
そういった意味で、大方の予想を覆した(?)「ばけばけ」の高石あかりさんは、オーディションによって選ばれた久しぶりの朝ドラヒロインらしいヒロインと言えるのではないだろうか。
高石さんは2002年12月19日生まれ、宮崎県出身の21歳。ダンス&ボーカルグループ「α-X’s(アクロス)」のメンバーを経て、2019年から本格的に俳優としての活動を開始。2021年の初主演映画「ベイビーわるきゅーれ」(伊澤彩織さんとのダブル主演)は、上映館数が決して多くない中、口コミで評判が広がり、異例のロングランヒットを記録し、その後、続編映画、テレビドラマも制作され、彼女の代表作となった。
「ベイビーわるきゅーれ」での社会に適合できない若き殺し屋役に加え、2023年公開の映画「わたしの幸せな結婚」では、ヒロインを虐げる異母妹、同年のNHK“夜ドラ”「わたしの一番最悪なともだち」では、主人公にとって“一番最悪なともだち”と言える幼なじみに扮(ふん)するなど、正統派ヒロインとしての印象がないのも、逆に魅力的。朝ドラでどんな顔を見せてくれるのか、と期待は高まるばかり。またドラマ自体が成功すれば、高石さんのような挑戦的な人選が増える可能性も。
いずれにせよ、俳優キャリアわずか5年で“大役”をつかんだ高石さんには、現時点で「フレッシュな朝ドラヒロインはやはり応援したくなります」といった好気的な声が圧倒的。ひとまず1年後のドラマスタートを心待ちにしたいと思う。