アパート経営で得た家賃収入の「確定申告」はどうすればいい? 所得の計算方法や認められる経費を紹介
近年、副業や投資などの副収入を得る会社員が多くなりました。その中でも、賃貸アパート・マンション経営等の不動産所得は安定した家賃収入が得られる手法として人気です。 この家賃収入について、確定申告はどのように行えばよいのでしょうか。所得の計算方法や認められる経費について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
アパート経営の所得は不動産所得
賃貸アパートやマンションなど、不動産を貸し付けることで賃貸料や家賃収入を得る場合、その所得は不動産所得に分類されます。 家賃収入が年間20万円以上となる場合は、年間の所得を税務署に対して確定申告する必要があります。
不動産所得の計算方法
不動産所得の計算方法は以下の通りです。 不動産所得=総収入金額-必要経費 総収入金額:家賃収入、共益費、礼金、名義書換料、更新料等、不動産貸付で得られる収入を指します。 必要経費:不動産収入を得るために直接必要となった費用を指します。次の章で詳しく説明します。 ■控除も利用できる 上記で算出した所得から控除をした金額に、税率をかけて所得税・住民税が算出されます。 控除の中には、すべての納税者に対して適用される基礎控除(一律で38万円・2020年分以降、所得2400万円以下で控除額48万円)や、青色申告を行う個人事業主に対して認められる青色申告特別控除(55万円・e-Taxによる電子申告で65万円)などがあります。
アパート経営で認められる経費
では、アパート経営で認められる経費を見ていきましょう。 主に以下のものが挙げられます。 ●租税公課:土地や建物に係る固定資産税や都市計画税、不動産取得税、不動産登記にかかる登録免許税などが挙げられます。 ●減価償却費:購入した建物や設備などの資産を、法定耐用年数に応じて少しずつ経費計上する会計処理のことです。購入時にキャッシュアウトしているため、経費計上のタイミングでキャッシュアウトがない点に注意です。 ●損害保険料:建物にかける火災保険や地震保険の保険料などが挙げられます。 ●修繕費用:建物の修理等にかかる費用です。アパート経営の場合、十数年に一度、屋根・外壁塗装を中心とした大規模修繕を実施することから、修繕のために積み立てることが必要です。 ●委託料:不動産会社への仲介手数料や、建物の管理・点検費用などが挙げられます。 ●交際費:不動産会社担当との商談にかかる手土産代や飲食費など、アパート経営に資すると認められる交際費が挙げられます。 ●交通費:物件視察のための電車代・バス代など、アパート経営に資すると認められる交通費が挙げられます。 そのほか、通信費や消耗品費など、アパート経営に資すると認められる費用については計上することができます。
まとめ
今回は、不動産所得の計算方法と、アパート経営で認められる経費について説明しました。 経費については、アパート経営を行う上で必要な費用については計上することができます。 ただし、内容によっては経費計上が否認される場合もあるため、実務においては税理士などの専門家と相談し会計処理することをおすすめします。 出典 国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部