ウクライナにおける「軍事革命」とは何か――デジタル民生技術との融合が生む“新しい戦争”の形
ウクライナ軍は、戦場での負傷者捜索にもドローンを利用する (C)Drop of Light / Shutterstock.com
ロシア・ウクライナ戦争は新しい戦争である。ドローンやAIといった最新のデジタル民生技術は、戦い方も産業も兵士の在り方も、抜本的に変えてしまっている。 名著『 戦争論 』で知られるクラウゼヴィッツは、戦争とは「相手に我が意志を強要するために行う力の行使」であり、「他の手段を交えた政治的交渉」であると定義し、これらは古代から変化しない戦争の“本質”であると喝破した。しかしその一方で、戦争の“特徴”は時代によって変化するとした。 そして目下、戦争の“特徴”がかつてない変化を遂げているという指摘が、複数の軍事指導者からなされている。例えば、米陸軍参謀総長のランディ・ジョージ大将は「戦争の特徴は変わりつつある。ウクライナ戦争によりさらに変化し、今後も非常に速いペースで変化し続ける」としている。ロシアのユーリー・バルエフスキー将軍も開戦から半年後に、「安価な民生ドローンが標的の捕捉や修正を含む偵察や砲撃に革命をもたらし、それは現代戦の真の象徴になった」と断言し、戦争の様相が変化していると語っている。
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部谷直亮