菅原小春、『パリピ孔明』でダンサーとしての本領発揮 ミア西表役に漂う“グルーヴ感”
SNSのひとつのポストで10万いいねを獲得するという企画を勝ち抜け、英子(上白石萌歌)はついに超大型フェス・サマーソニアの出場権を獲得した。『パリピ孔明』(フジテレビ系)の物語は次なるステージへと進んでいくことになる。 【写真】久遠七海演じる八木莉可子インタビュー撮り下ろしカット サマーソニアの本番では「DREAMER」だけでなく、新曲をもう1曲用意しなくてはいけない。また曲作りに悩む英子はミア西表(菅原小春)に相談するが、「私に歌のことなんて聞くな!」と突っぱねられてしまう。 ミアはハイレベルなダンスパフォーマンスと歌唱で注目を集める人気シンガー。英子もファンのひとりで、第1話ではミアに声をかけられ、イベントに一緒に出演できることを喜んでいた。しかし、英子にあてられた時間枠はミアの出演枠の真裏。つまり英子はミアの当て馬にされ、いいように利用されそうになったのだ。だが、それに気がついた孔明(向井理)は逆に客を呼び込む戦略を練り、ライブは見事に成功。英子を陥れようとしたミアは逆に鼻を明かされ、恥をかく結果となってしまった。 やや悪役のようなキャラクターのミアだが、鍛え上げられた肉体を駆使したダンスパフォーマンスで観客を魅せていく姿は圧巻だ。ミアを演じている菅原小春は、高校卒業後にロサンゼルスに渡って修業を積み、独自のダンススタイルを生み出したダンサー。帰国後は国内外を問わず様々なアーティストと関わり、振り付けやバックダンサーとして活動し、2019年にはアメリカのフォーブス誌に、エンタメ部門における「世界に影響を与えるアジアの30歳以下のタレント30人」(「30 under 30」)のひとりに選出されている。これまで、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』やNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』に出演し、ミステリアスな雰囲気を活かして作中にアクセントを加え、視聴者を魅了していた。 本作での菅原は、目を引く華やかさはそのままに、ダンサーとしての本領も発揮。英子の爽やかな歌声とは対照的なグルーヴ感が特徴的なパフォーマンスを披露している。 意地悪なことをされても、ミアとお近づきになれたことが嬉しい英子は、サマーソニアに挑戦する時、自分の武器となるものを探していることをミアに相談する。邪険にはされたが、食事に誘ってもらい、ミアから「本気で食べてく気あるなら、いつまでもカバー歌ってちゃダメなんじゃない?」とアドバイスされている。これをきっかけとして「DREAMER」ができるのである。ミアは不器用ながら優しさを持っている人なのだ。だからこそ、英子を突き放すようなことをするミアの態度には疑問が残る。他人を気遣っている余裕もなくなってしまうほど、今、ミアには深い悩みがあるのかもしれない。 英子はシンガーとして着実に成長している。それは軍師である孔明の力もあるが、ライバルであり、良き友人でもあるミアや七海(八木莉可子)の存在も大きく影響しているはずだ。ミアが困っているとすれば、英子には何ができるのだろうか。
久保田ひかる