人一倍努力家の檀れい、離婚を決めたからには
少女時代から芝居志向も最下位で歌劇団入りの苦労人
おとなしく泣き虫だったという少女時代から、幼稚園のお遊戯会で狂言回し(進行役)をしたり、ディズニーはじめ外国映画もテレビで見たりと、芝居をするために生まれてきたような檀。しかし女優としてのキャリアはエスカレーターのようにはいかず、宝塚音楽学校を経て78期生として1992年に歌劇団入りしたときの成績は最下位の40位だった。それもそのはず、幼い頃から宝塚に入るためにバレエをしたり、修練を積んできた人だらけの中で、檀はゼロからのスタート。役もなかなかつかず苦しかった下級生時代、照明も当たらない隅のほうで踊っているときに「いつも一生懸命だね」と励ましてくれたファンもいたという。
生活感のなさはプロのイメージ大切にしたいがため
生活感がなかったことが強調され淡々と感じられてしまいがちな2人の離婚のニュースだが、人一倍努力家の檀のことだ。離婚を決めたからには、それ相当の葛藤があったのではないだろうか。発表されたコメントの「それぞれの未来のために二人でよく話し合った結果」という部分から、そんな重みが伝わってくる。 数年前、檀を取材した際に、間に入った関係者から「家庭の話は聞かないでください。今日は作品の話をしたいので」と事前に断りを入れられたこともあったが、それは単純にプライバシーの話題がまずいから、というより、プロの演者としてのイメージや作品を大切にしたいから、というニュアンスを強く感じた。実際、その日の取材は作品や芝居の話で盛り上がり、インタビューを終えて席を立った檀は、わざわざ退室する前にこちらを振り返ると、「今日はとても楽しかったです。ありがとうございました」と、ていねいに言葉をかけてくれた。その際の、本当に楽しそうな笑顔が印象的だった。 お互いにプロ意識が強く、仕事を優先するタイプの2人。これからのそれぞれの作品や活躍に期待したい。 (文・志和浩司)