ポジション別の指名状況 六大学のドラフトは減っているのか?(後編)
六大学リーグvs東都リーグ。前編でもお伝えした通り六大学を脅かす存在にまでなった東都リーグのどこにドラフト指名数を伸ばす要因があったのか、後編ではポジション別の指名状況から探っていきたい。 大会成績と指名数の観点から 六大学のドラフトは減っているのか?(前編)
ポジションで見る指名選手
表3には、ドラフト指名選手のポジションごとにその指名者数をまとめた。投手、内野手、外野手では六大学、東都ともに大差のない結果となっている。しかし、捕手という観点では圧倒的な数値の差が出た。 捕手といえば、育成の難しいポジションで、どの球団も頭を悩ます守備位置といっていいのではないだろうか。その昔、希望球団への入団を見据えて実力をつけるべく、駒大進学を明言していた城島健司をホークスが指名。王監督を筆頭に若菜嘉晴コーチ、工藤公康投手(現監督)、武田一浩投手らが時間をかけて育成したのは有名な話。そのポジション、捕手において六大学の3倍の指名者数を誇る東都の捕手とは誰なのか。日本を代表するキャッチャーを思い出してもらえれば、それが答えとなる。
そう、巨人阿部、楽天嶋だ。 他のポジションでも、現在第一線で活躍している選手を多く輩出しているが、特に捕手というポジションに限っていうと強さを発揮するのが東都リーグ。捕手の東都、他のリーグにはない捕手というポジションに強みを見せたことも東都の指名者数が伸びた一因と言えるだろう。
指名球団にもある特色が
最後に表4では、球団別の指名リーグ状況をまとめた。中でも、巨人、ソフトバンクには強い東都志向が出ている。実際に、沢村、阿部、松田、井口らがそうで、六大学より東都に目を向けるのがこの二球団の特徴だ。 逆に六大学志向なのは、日本ハムや西武、オリックスといった球団か。特に代表的なのは近年の日本ハムで、有原、斎藤らの指名が記憶に新しいのではないだろうか。
球団によって偏りは見られるものの、12球団の指名者数は六大学と東都を比較した場合でも、六大学は負けている。プロ球団としても東都に目を向けていることはこれまでのデータを見て明らかだ。プロになるために、そしてプロとして大成するには何が必要なのか。 そこには六大学に欠けているもの=東都が欠かせないもの=反骨心というものが見えてくる。 井端、井口、長野、亀井…といったようにヒトクセもフタクセもあるような選手が多いのが東都。そして一流選手を数多く輩出し続ける東都に対して六大学が今後どう対抗するのか。立場は逆転した。まずは大学選手権で早大が東都リーグに並ぶ優勝を飾れるのか。今後の六大学と東都の争いから目が離せない。 (株)日刊編集センター