最速129キロ止まりも7回途中無失点 明豊の2年生左腕が劇的勝利を呼び込む【選抜高校野球】
◆第96回選抜高校野球大会1回戦・明豊1×―0敦賀気比(19日、甲子園球場) 明豊は、8イニングのうち6イニングで得点圏に走者を進めながらも0行進で、拙攻続きの11残塁。それでも0―0での九回裏、タイブレーク突入目前でのサヨナラ勝利。イヤな試合の流れを食い止め、劇的勝利への道筋をつけたのが、背番号11の2年生左腕・寺本の好投だった。 ■初出場熊本国府が初戦突破!明豊も難敵撃破【選抜組み合わせと結果】 「ウチとしては、塁上をにぎわせている割に決定打が出ないというイヤな流れ。それを寺本が向こうの流れに持って行かせな投球をしてくれました。ホント、寺本に感謝しないといけない」 川崎監督が絶賛した左腕は、昨秋の公式戦で4試合、7回⅔を投げたのみだが、与四死球が0という制球力が特徴。「低めに、というのを意識して投げました」という寺本の最速は129キロ止まりも、100キロ台のカーブやチェンジアップを交え、敦賀気比を七回2死まで3安打2四球と「100点に近い。こういうピッチングをしてほしいという『ザ・寺本』みたいな投球」と川崎監督は最敬礼。その1メートル66、62キロの〝小さな左腕〟と背番号1の野田で、敦賀気比に9回まで三塁すら踏ませない完封継投。その裏2死一、二塁から4番石田が右前打を放ち、サヨナラ劇に結びつけた。 14日の甲子園練習では練習時間の30分をすべて守備練習。低反発バットで打球が飛ばなくなることを想定し「守れることが勝つことの大前提」と川崎監督。狙い通りの無失策で初戦を突破し、続く2回戦は昨秋公式戦でのチーム打率が出場32校中トップとなる3割9分7厘をマークした健大高崎(群馬)と対戦。「春で発展途上のチーム。当たって砕けろ、くらいの気持ちでぶつかっていきます」と川崎監督。3年前のセンバツは準優勝。継投と堅守で、その〝さらに上〟を目指す。
西日本新聞社