米国のCPI3.3%上昇で予想値下回る…利下げへの期待感高まる
先月の米国の消費者物価指数(CPI)上昇率がウォール街の予想値より小幅に低く現れた。米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げに対する期待感が大きくなっている。 米労働統計局は12日、5月のCPIが前年比3.3%上がったと発表した。4月の3.4%より低くなり、ウォール・ストリート・ジャーナルが調査した経済分析家の予想値3.4%を下回った。前月比の上昇率は0%で、やはり専門家の予想値である0.1%より低かった。変動性が大きい食料品とエネルギー価格を除いたコアCPIは前年比3.4%上がり4月の3.6%より鈍化した。これは2021年4月以降で最も低い数値だ。前月比では0.2%上昇した。 物価が鈍化の流れを示しFRBの年内利下げの見通しにも青信号が灯った。だが依然として熱い雇用市場は懸念材料だ。5月の失業率が4%に上がることはあったが非農業部門の新規雇用数が前月比27万2000件増え、専門家見通しの19万件を上回った。7月の利下げを予想してきたJPモルガン・チェースとシティグループは5月の雇用報告書発表後に7月利下げ論を取り下げた。 CPIの3分の1を占める住宅費上昇率が抑えられないのもFRBには負担だ。先月の住宅費は前月比0.4%、前年比5.4%上昇した。4月のそれぞれ0.4%、5.5%と同水準だ。 シカゴ商品取引所(CME)FEDウォッチによると、12日午後9時50分基準でFRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据え置く確率は29.7%で、前日の47.2%に比べ17.5ポイント下がった。引き下げる確率は61.9%で前日の46.8%より15.1ポイント上がった。13日にある6月のFOMCでは金利を据え置く確率が99%以上であることがわかった。