【大地震】台湾政府が中国の救援申し出を辞退、実は甚大被害が出た「花蓮」は台湾有事の際の反攻拠点候補地
日本時間の4月3日午前8時58分(日本時間)に台湾の花蓮県沖で起こったマグニチュード7.2の地震の被害は、一夜明けても拡大している。死傷者は1000人以上に上り、震源地にほど近い花蓮市では、2棟のビルが傾斜して一部が崩壊。必死の救助活動が続けられている(4日現在)。 【写真】岸田首相のメッセージに対する蔡英文総統からの感謝の日本語ポスト まずは今回、被害に遭われた台湾のすべての方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方やそのご家族にはお悔やみを申し上げたい(合掌)。 ■ 台湾のタクシードライバーが示してくれた日本への情愛 今年の元日に能登半島地震が発生した時、台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統は、「日本有事は台湾有事」と言って、全面的な支援を申し出た。実際、台湾の民間から、約25億円もの支援金が集まった。 私は1月13日に行われた総統選挙の関係で台湾へ行った。選挙前日の晩、新北市で行われた民進党の「20万人決起集会」を見た帰路、台北市のホテルへ戻る際に、タクシーに乗った。 約30分の間、運転手がしきりに能登半島地震の話をしてきて、彼が非常に案じていることが伝わってきた。そしてホテルに着いて、日本円で約3500円の代金を払おうとしたら、こう言った。 「私はずっと、日本人が乗ってくれるのを待っていたが、ようやくあなたを乗せた。なぜ待っていたかと言えば、能登半島の人々に寄付をしたかったからだ。寄付は台湾のコンビニなどでも募っているが、私は日本人に直接、渡したかった。 というわけで、私はあなたから代金を受け取らない。その代わり、日本へ帰ってこの金額を、震災した被害者に寄付してほしい」
私がいくら、「それはそれ、これはこれ」と言っても、運転手は頑なに乗車代金の受け取りを拒否した。結局、彼が受け入れたのは、私の抱擁だけだった。 ■ 岸田首相、いちはやくXで台湾へのお見舞いと支援を約束 そのような「有情台湾」である。今回は日本が、支援の手を差し伸べる番だ。 実際、岸田文雄首相は発生当日、「台湾の皆さんへ」と題した緊急声明を、日本語と、台湾で使われる繁体字の中国語で発表した。 <この度、台湾東部において大きな地震が発生し、大きな被害が出ているとの報に接し、大変心を痛めています。被害に遭われた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。 東日本大震災、また先日の能登半島地震の際にも、大切な友人である台湾の皆様から本当に心温まる支援を頂いたことに、私たちは心から感謝しています。海を接する隣人である台湾の困難に際し、日本としては必要な支援を行う用意があります>