MEGUMI「美容は自分だけが知っている努力の積み重ね」。ドリアン・ロロブリジーダと語る“自分軸で楽しむ美容”
「好き」な気持ちがすべての原動力になる 『美容はやっぱり “セルフラブ”でいこう!』
とびきりホットでファビュラスな対談が実現! 確固たる美意識が生む比類なき存在感で今を牽引するお二人が日本ビューティの20年史や、自分軸で楽しむ美容について語り尽くします。 【写真】MEGUMIさん×ドリアン・ロロブリジータさん
お話をうかがったのは
俳優 MEGUMI 岡山県出身。俳優、プロデューサーとして活動するほか、圧倒的な知識量と芯の通った美容哲学が支持され、美賢者としても活躍。著書『心に効く美容』(講談社)が大ヒット。MAQUIA YouTube連載『それ、美容で解決できるから!』も好評。
ドラァグクイーン ドリアン・ロロブリジーダ 東京都出身。2006年にドラァグクイーンとしてデビューし、歌手や俳優としても活躍。公式YouTube『Durian's Powder Room』では、メイク動画も公開。出演映画『まつりのあとのあとのまつり まぜこぜ一座殺人事件』が公開予定。
20年で意識が大きく変化。美容がみんなの共通言語に
Netflixの恋愛リアリティーショー『ボーイフレンド』のMCとして出会い、たちまち意気投合。美に一家言を持ち、人生経験も豊富なお二人に、この20年における美容意識の変化について伺います。 [ドリアン] 私がMEGUMIさんと美容を語るなんて僭越ですが、20年前は美容ってエイジングを迎えた方がやられているイメージがあったんですよね。でもSNSの影響もあるのか、少しずつ美容がみんなのものになってきて、今は幅広い方がよりカジュアルに美容を取り入れるようになってきた気がします。 [MEGUMI] たしかに。最近は現場で一緒になる男の子から、美容について聞かれることがよくあって。“キレイになりたい”という気持ちはみんな一緒で、美容が共通言語になってきたのがすごく嬉しいですね。 [ドリアン] それこそ『ボーイフレンド』に登場するボーイズもみんなシートマスクを使ってましたよね。昔は男性の美容というと特殊なジャンルだったけれど、今はジェンダーフリーになってきた実感があります。 [MEGUMI] うちの息子も留学先にシートマスクを送ってって言ってきますもん(笑)。個人的にこの20年の美容を振り返ると、昔は目をいかに大きく見せるか、いかにまつ毛を長く見せるか……ということしか考えていなかったんですよ。今は素材を意識するようになって、肌をキレイにすることや、自分を整える方向にマインドが変化。同じ美容でも目的が変わってきた感じがします。 [ドリアン] 私は2006年からドラァグクイーンをやっていますが、こちらの世界でも意識が変わってきた感覚があります。“美しくある”ということが過度に装う方向だけでなく、素材の美しさを意識する習慣が根付いてきているんじゃないかしら。 [MEGUMI] なるほど。でも、ドラァグクイーンって美しさの最たるものですよね。ホント美しい! [ドリアン] 逆にトゥーマッチではあるんですよ。その大仰さを楽しむ一方、最近はメイクアップクリエイターのGYUTAEさんのようにナチュラルな形で美を表現する方たちも登場して、幅が出てきた気が。 [MEGUMI] 番組で素の装いのドリアンさんともご一緒したけれど、肌がキレイでそちらの姿もとっても素敵。で、お化粧をすると今度は言葉遣いから立ち居振る舞いまでガラッと変わる。人ってメイクアップすることでここまでスイッチが入るんだってまざまざと感じました。 [ドリアン] メイクってやっぱり強いんですよ。イヤなところは隠して、自分の好きな部分は強調してくれる。ウルトラC的な力技で自分を奮い立たせてくれるから、普段だったら尻込みしてしまうような大きな舞台でも、ドンと構えていられるっていうのは結構ありますね。 [MEGUMI] 私自身も、今日のようにドレスを着てきちんとメイクすると姿勢から変わる。美容やファッションは、確実に自分のスイッチを押してくれるものだなと感じます。 [ドリアン] その通り! 背筋を伸ばしてくれて、さらに背中を押してくれる。防具であるのと同時に、最大の武器でもあるんですよね。 佇まいや言葉から、揺るぎない自信が匂い立つ。そんなお二人が考える、美容と自己肯定感の関係とは? [MEGUMI] 若い頃は外見がコンプレックスだったんですよ。人からもあれこれ言われてどんどん縮こまっていたけれど、そんな自分を打破するために鬼のように美容を試していたら、いつしか今の状況になっていて。お手入れってやればやるだけ肌は変わるし、行動した事実が自分の気持ちを上げてくれる。自分だけが知っている努力の積み重ねこそが、自信に繋がるんだと思います。 [ドリアン] 本当にね。美容は美を高めてくれますが、美しくなった自分を慈しめることが一番大切な効果だと思うんです。今は美の基準も他者に委ねず、誰もが自分の物差しを持つ時代。なりたい自分に近づけることが美容の役割であり、何よりの“セルフラブ”なんじゃないかしら。 [MEGUMI] お手入れしていても誰も気づかない時期はあるけれど、自分では“なんか違う”と感じられる。他者の評価がなくても、その実感が自己肯定感に直結しますよね。 [ドリアン] 他者は無責任だから、そこに委ねると軸を保つのが難しくなるんですよ。自分軸を持つために大切なのは、いろいろと試すこと。その上で、自分の心のご機嫌に耳を傾ける。「この私、好き」とアンテナが動く瞬間を見逃さないことが、美しさの基準を築く鍵だと思います。 [MEGUMI] 最近、改めて自分を知ることって大切だなと感じるんです。何が好きかが曖昧な人が実は多いからこそ、自分を理解して「私はこれが好き」と表現することは、その人の魅力になるんじゃないかな。 [ドリアン] 今まで知らなかったものにたくさん触れる中で感受性が磨かれ、自分の好き嫌いが見えてきますよね。新たな世界を開拓するのは面倒くさいけれど、努力は必要。慣れって、老けに繋がるから(笑)。 [MEGUMI] 面倒なことは大事! その先に心が動くものがあるはず。 [ドリアン] 私ね、自分軸で生きる上で大切にしている言葉があるんですよ。「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる」という言葉なんですが、今の時代って情報も人の言葉も無闇やたらと投げかけられてくるじゃないですか。でも自分の受け止め方が変わると、一気に世界が変わる。そういう体験を何度かすると、ちょっとやそっとのことじゃへこたれなくなるんです。 [MEGUMI] わかります~。昔はいろいろとしんどい思いもしたけれど、場数を踏んだおかげで外の出来事に振り回されなくなりました。そう考えると、厳しい状況にも意味があったと思える。人って、大変な時にしか思考しない生き物ですからね。 [ドリアン] その通り。今しんどいなっていう方は、バージョンアップの時期と思うといいですよね。 [MEGUMI] 美容もそうですが、大きく道が拓ける前にはすごく重い扉が待ち構えてるんですよ。みんなそこで諦めちゃうけれど、扉を押してみてほしい。逃げずに果敢に進むことで、知恵と筋肉がつきますから。 MAQUIA 11月号 撮影/吉田 崇 ヘア&メイク/KIKKU〈Chrysanthemum〉(MEGUMIさん) スタイリスト/ミク(MEGUMIさん) 取材・文/真島絵麻里 企画・構成/火箱奈央(MAQUIA) ※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。