アメリカンの最高商務責任者は解任だった、ベインの報告響く-関係者
(ブルームバーグ): アメリカン航空グループのロバート・アイソム最高経営責任者(CEO)は、米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの報告書を受けて、最高商務責任者(CCO)を解任したと、事情に詳しい関係者1人が明らかにした。報告書は新たなマーケティングシステムが法人顧客離れを招いたと批判する内容だった。
アメリカンがベインに委託したこの報告書を受け、アイソムCEOはそれから数日以内にベテラン幹部であるヴァス・ラジャCCOの解任に踏み切った。報告書では最近の販売戦略の転換に対する法人旅行アドバイザーらの懸念が明らかにされており、戦略転換がここ数四半期の売上高不振の一因になったと、関係者は29日に語った。
ラジャ氏からコメントは得られていない。アメリカンは28日遅くに同氏の退任を発表したほか、利益見通しを下方修正した。これを受け、29日の米株式市場で同社株は14%安と、約4年ぶりの大幅な下げとなった。今回の展開は2022年3月に就任したアイソムCEOが見舞われた最初の大きな危機であり、売上高拡大を目指す同氏の計画の後退を意味する。
ラジャCCOが監督していた「モダン・リテーリング」と呼ばれる新システムは、顧客に予約代理店を通じてではなく、アメリカンを通して直接購入させることを目指している。この戦略転換の一環として同社のセールス部門は削減された。
しかし、この転換は一部の法人顧客や旅行管理会社の反発を招き、同社の技術が十分に開発されていないという声も聞かれている。ラジャ氏は最近、要である管理型法人旅行の伸びがライバルのユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスやデルタ航空を下回っていることを認めていた。
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原題:American Air Fired Commercial Head After Pointed Bain Report (1)(抜粋)
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Mary Schlangenstein