「すきま時間」で給料がもらえる…「メルカリ」が「スポットワーク」事業に参入したワケ
メルカリがリリースした空き時間に仕事ができるサービス「メルカリ ハロ」は、スポットワークという新しい働き方を提供してくれるサービスでもあります。メルカリは中古品などの売買ができるフリマアプリのサービスですが、このタイミングで新しい事業に参入したことになります。メルカリという会社にとって、この新規事業はどんな意味があるのでしょう。株式会社メルカリ執行役Work CEOの太田麻未さんに話を伺いました。 【マンガ】メルカリで、利益がほとんどでない「300円出品」をする人の理由
メルカリという企業がスポットワーク事業に参入した理由
インタビュアー川崎さちえ(以下、川崎):雇い主の労働者不足の解消、働き手の柔軟な働き方などスポットワークの需要が高まっているとはいえ、この事業に参入するにはハードルが高いように感じました。それでもメルカリがスポットワークの事業に参入したのはなぜでしょうか? 太田麻未さん(以下、太田さん):メルカリグループのミッションに「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」があります。「あらゆる価値」の中には人の時間やスキルがあり、これを循環させたいというのは中長期のアイデアとしてあったのです。スポットワークのニーズが急激に上がっている社会的な背景があり、ここで「メルカリ ハロ」を提供することで誰でもすぐに簡単に、自分の時間やスキルを循環させることができます。メルカリが培ってきた安全安心、簡単、親しみやすさなどをベースにして仕事へのハードルを下げることで、メルカリグループのミッションを体現できるのではないかと思い参入を決めました。 川崎:スポットワークにおける「ハードル」とは何でしょうか? 太田さん:スポットワークは、自分向けではないと思っている人が多いように感じます。実は私もそうでした。最初にスポットワークの話が社内で出た時に、自分事にはなっていなかったのです。学生時代にアルバイトをしていても、社会人になった瞬間にアルバイトは自分事ではなくなりました。でも実際にスポットワークをしてみて気づいたのは、メインの職場からいただく給与以外に稼ぐ手段をあまり考えたことがなかったということです。仕事をしていると、時間的な問題もあってスポットワークをするのは難易度が高いと思われがちです。でも思い立ったらすぐに5000円を稼ぐことができるのがスポットワークですから、これは画期的だと感じましたね。例えば私の場合、20代の前半に友達の結婚式が立て込んだらご祝儀が厳しいと思ったこともありました。社会人になると毎月の給与は決まっていますから、それを増やすのは簡単ではありませんからね。でもスポットワークを使えば数万円を稼ぐことができてしまうわけですから、これはすごくひらかれるべき稼ぐ手段だと思います。