台風15号は「関東上陸では最強クラス」の可能性 気象庁「接近とともに世界が変わる」
■昨年の台風21号並みの強風被害の恐れも
強い台風15号が首都圏に接近している。強い勢力を維持したまま、8日夜遅くから9日明け方には関東地方または静岡県に上陸、9日昼前にかけて関東甲信地方を通過する見込みだ。 気象庁は8日午前11時から記者会見を開き、中村直治予報官が「関東を直撃する台風としては、これまでで最強クラスといっていい。記録的な暴風となる恐れがあるので、風が強まる前に、早め早めの避難や安全確保を」と警戒を呼びかけた。 今回の台風15号は、大きさが比較的コンパクトなことから、接近とともに急に風が強まり、雨が強まることが予想されるという。中村予報官は「今晴れているということで安心している人も多いかもしれないが、接近とともに世界が変わる」としている。 台風15号は8日午後1時現在、八丈島の南西約100キロを1時間に約30キロの速さで北北西に進んでいる。中心気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル。 気象庁によると、統計開始以降の記録では、これまで関東地方に上陸した台風は13個(神奈川県5個、千葉県8個)あるが、もし、今回の台風15号が現在の勢力を維持したまま関東地方に上陸したとすると、中心気圧は過去最も低かった時と同レベル、最大風速は過去最も強かった35メートルを上回ることになる(静岡県に上陸した台風の中には、さらに中心気圧が低く、最大風速が強い台風はある)。 なお、大都市部を暴風が襲った台風としては、昨年近畿地方を襲った台風21号が記憶に新しいところだ。 日本損害保険協会の調べによると、「風水災等による保険金の支払い」で最も多かったのが昨年の台風21号で、1兆678億円に上ったという(第2位は1991年の台風19号で5680億円)。中村予報官は「昨年、近畿地方を最大風速45メートルで直撃した。今回はそれよりは若干弱いにしても、それに近い勢力で直撃するので、同様の被害が発生する恐れがある」と話し、「明るいうちにベランダの飛びそうなものをしまう、雨戸を閉めるといった備えをしておいて」と呼びかけている。