デビューから10年 出演作の途切れない榮倉奈々
女優を辞めようと思ったことは一度もない
女優業の華やかさと同時に「真冬なのに半袖、夏なのに真冬のコートとか、楽しい気分なのに悲しい気分に浸らなければいけない時もある。お芝居の仕事って、実は理不尽な事が多い(笑)」と、表現の難しさを身をもって知っているが「辞めてほかの仕事をしようと思ったことは一度もないんです。この仕事をしていたからこそ、濃い時間を過ごすことが出来たから」と、女優という仕事の魅力に抗うことは出来ない。 「自分を使いたいと思って呼んでくれる人がいたら、それは嬉しいこと。自分も覚悟を決めることが出来る。そんな気持ちの積み重ね、あっと言う間の10年だった」と、経歴を振り返りながら「未だに『もっと褒められたい』、『成長したと思われたい』、『私と仕事がしたいと思ってもらいたい』という気持ちがあります」と、意欲は募るばかり。それでは榮倉が納得する到達点とは? 「自分にとってのゴール?それはわからないですけれど、継続は力だと思いますね」と、11年目に向けてのスタートを切った。 (取材・文/石井隼人) ■榮倉奈々(えいくら・なな)1988年2月12日、鹿児島県出身。漫画家・西炯子の同名コミックを映画化した主演映画『娚(おとこ)の一生』が、2月14日より公開。都会の生活に疲れ、祖母の家がある田舎に越してきたつぐみ(榮倉)と、祖母の家の鍵を預かっていたという52歳独身の大学教授・海江田(豊川悦司)との不思議な共同生活を描く。話題の足キス・シーンについて榮倉は「衝撃的だったし、撮影自体は単純に恥ずかしかったけれど、面と向かってキスが出来ない、大人ならではの恋と距離感を象徴している素敵な場面になった」と手応えを感じている。ヘアメイク/河北裕介スタイリスト/斉藤くみ(SIGNO)