西岐波みかん生産組合の〝還暦〟祝う 西片山の農園で記念式典と収穫祭【宇部】
宇部市の西岐波みかん生産組合(上田博昭組合長)の発足60周年記念式典と収穫祭が15日、西岐波西片山のみかん園で開かれた。組合員や来賓、関係者ら40人が出席し、同組合の〝還暦〟を祝った。 同組合は国の農業構造改善事業として、1963年に49軒の農家が集まり、ダイコンや葉タバコの畑、山林をミカン畑として開墾してスタートした。現在は23人の組合員が5・5㌶で「上野早生(わせ)」「久能温州」「大津4号」などを栽培している。 上田組合長は「発足当初、農家の人たちがスコップで掘った穴に苗木を1本ずつ植える姿を覚えている。60年がたって組合員の高齢化や担い手不足、人件費の高騰などで収益の低下が続いているが、今後も県や市、JAの支援を受けながら、食を通じて元気で魅力ある地域づくりに協力したい」とあいさつした。 篠﨑圭二市長ら来賓の祝辞に続いて、発足当初からの組合員、師井秀利さん(87)と松永達夫さん(90)が、優良生産者として60年表彰を受けた。2人は「一緒に3万5000本の苗木を農家に配って回った」「最初の15年ほどは硬くて酸っぱいと不評だった」などと振り返った。 出席者全員で、この日のために実を残しておいた樹齢60年の上野早生と、その後継のゆら早生を収穫。新鮮で甘い味を堪能した。