もつ煮込み定食とギョーザ

　大宮駅西口の桜木町交差点から西に約100メートルに位置する「くまだな」。メニューは和洋食、おつまみを含めて100種類を超え、昼は町中華、夜は居酒屋としても利用されている。燃料店を営んでいた店主の蓜島茂さん（74）が、39歳の時に開業して35年を過ぎた。「食べることが好きで、飲食の仕事をしたい」と思い立ち、北海道ラーメンの「大酋長三橋店」として開店。2012年ごろに独立し、蓜島本家の屋号「くまだな」を店名にした。 町中華“くまだな”店主ら家族の写真　数多くのメニューを調理、腕を振るう厨房【写真2枚】

　看板メニューは格安の「本日のランチ」。最も安い590円を含め7～8種類を日替わりで提供する。利益はあまり上がらないものの、「店の売り」として続けてきた。取材時は、「塩焼きそば定食」（590円）、「スタミナモヤシ炒め定食」（730円）、「まぐろブツ定食」（750円）などをラインアップ。以前はワンコインの500円からだったが、食材や燃料費などの高騰に押され、昨秋に値上げを決断した。 　大宮市場（さいたま市北区吉野町）から、野菜や肉、モツ、マグロなどの海鮮物を仕入れ、メニューがどんどん増えていった。開業時から人気のもつ煮込みは、たっぷりのもつとこんにゃくをじっくり煮込んだ自信作で、590円のランチにも登場する。 　コロナ禍の3年間は「大変苦しんだ」と茂さん。店の周辺は事務所が多く、テレワークなど働き方が変化したため、夕方以降の客足は戻っていないという。長女の佑佳さん（47）が鍋を振るい、茂さんと妻の悦子さん（73）らで切り盛りする。茂さんは「お客さんが来てくれるのが楽しい。店はずっと続けたいね」とにこやかに話していた。

【メモ】くまだな　埼玉県さいたま市大宮区桜木町4の56（電話048・664・0480）。営業時間は午前11時半～午後2時半、午後5時～同11時。定休日は日曜、祝日。 【主な人気メニュー】手包みギョーザ6個（380円）、レバニラ炒め定食（850円）、卵と木クラゲの炒め物定食（850円）など王道のほか、うな重（950円）、チーズをトッピングしたケチャップ味のイタリアンラーメン（780円）も人気。