【2000安打記念インタビュー】中日・大島洋平 走れなくなるまで「もう少し引っ張りたいなという思いと、でも早く決めてしまいたいという思いが半々でした」
今年中に決めたかった
攻守走と抜かりなく、常に平常心で目の前のプレーに集中する。巧みなバットコントロールはリーグ屈指
プロ14年目のシーズンに大きな記録に到達した。史上55人目となる通算2000安打。1787試合目での達成は史上9位のスピード記録、大学・社会人を経ての打者としては4人目の快挙だ。竜が誇るバットマンが2000安打と今後の目標を語った。 取材・構成=牧野正 写真=桜井ひとし、BBM お手本のようなセンター返しだった。本拠地バンテリンで行われた8月26日のDeNA戦。二番・左翼でスタメン出場した大島洋平は、3回裏に迎えた第2打席で通算2000安打を決めた。地元ファンの割れんばかりの大歓声を浴びながら一塁へ。チームメートの高橋周平やDeNAの京田陽太らから花束を受け取り、2000安打の記念ボードを掲げると、ベース上で安堵の表情を浮かべた。 ──あれからもう3カ月ほど過ぎましたが、2000安打を成し遂げた実感はありますか。 大島 今でも会う人会う人に「2000本おめでとうございました」と言われますからね。今日(ファン感謝祭、11月25日)も大勢のファンの方から何度も言われましたし、本当にありがたいことだと思います。自分にとっても大きな出来事でしたから、うれしいです。 ──2000安打が近づくにつれて重圧は感じていましたか。 大島 残り2本になってバンテリンに帰ってきて、DeNAとの3連戦(8月25~27日)だったと思いますけど、初戦に1本出て、2戦目に決めたと思うんですが、初戦の第1打席からすごい歓声でしたからね。でもそれがとても心地よい部分もあって、もう少し引っ張りたいなという思いと、でも早く決めてしまいたいという思いが半々でした。そういう意味では、重圧というより、楽しみながら打てたという感じでした。 ──2000安打まで残り115安打で開幕を迎えました。今年中の達成は大島選手ならノルマでもあったと思います。 大島 普通にやれば届くだろうとは思っていました。でも調子が悪いときもあってスタメンを外れた試合もあり、途中で今年中に届くかなと不安になった時期もありました。残り100を切っても近いようで遠いなと。でも残り10くらいになって、今年中に絶対に届くなと思ったら気が楽になりました。そこからはもうスーッと行きましたね。 ──記録達成は本拠地でという配慮からなのか、目前になって欠場したり、スタメンを外れたりしましたが。 大島 背中を痛めたというほどでもないんですけど、少し張りが出たんです。まだ残りシーズンもありましたし、悪化させてもいけないので、監督から少し休もうかと。それでたまたまバンテリンになったんです。まあ結果的に、本拠地で打つことができて良かったです。 ──史上55人目の快挙を、自分が成し遂げたことについては。 大島 その中の何人かの選手を目の前で見てきました。そのときは「すごいな」としか思えなかったんですが・・・
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週刊ベースボール