フルタ製菓「生クリームチョコ」価格据え置きで10g増量 カカオ豆高騰と円安のコストアップも値上げ疲れの生活者に対応
フルタ製菓は主力商品の「生クリームチョコ」を価格据え置きで10g増量して11月下旬から順次販売している。 物価高騰が止まず、値上げ疲れしている生活者に対応して需要を喚起していくのが狙い。 11月2日取材に応じた乾重一営業本部顧問は「チョコ原材料のほとんどが輸入原材料でカカオ豆が高騰している上に円安でコストは跳ね上がっている。食品の値上げも相次ぎ、消費者は値上げ疲れしており、お菓子の購入機会と購入金額が減少傾向にある中であえて“逆張り”した」と語る。
「生クリームチョコ」の増量施策に加えて、「生クリームチョコ」の新商品を投入して年末商戦に臨み、年明けには新商品をもう1品投入して今期(3月期)「生クリームチョコ」ブランド計で前年比1.5倍の100万ケースを目指していく。 同社は、高まる需要に対応すべく「生クリームチョコ」の製造能力を増強。約15億円を投じて、主力チョコブランドを製造する美原工場(大阪市堺市)に製造ラインを新設し昨年末に稼働させた。 これにより製造能力は従来と比べて最大で1.5倍に高まり小袋タイプやメガパックなど多品種製造も可能となったことから、同社は“年間100万ケース販売大作戦”を掲げ提案を強化している。 「従来は年間70万ケースが製造キャパシティの上限だった。製造能力が1.5倍になったかといって販売量が急に追いつくことはなく、もちろん高い目標設定ではあるが、年間通じて提案強化し年末に最大化していく」と述べる。 「生クリームチョコ」は、北海道産生クリームをミルクチョコで包んだもの。1992年の発売開始以来、着実に売上を伸ばし、92年の販売数量を100とすると22年には約46倍の4654へと拡大。累計販売数量は2.5億袋を突破した。 今年、“一番おいしい(1014)”の語呂あわせから10月14日が「フルタ生クリームチョコの日」に認定された。 ラインナップは「生クリームチョコ」「同 薫り立ついちご」「同 アーモンドプラリネ」の3品。メガパックや小袋タイプも展開している。 販売エリアは西日本や東北・北海道に強く、スーパーや量販店がメインチャネルとなる。 「生クリームチョコ」の秋冬商戦は、9月の猛暑で東北への物流が困難になった影響で例年より1ヵ月遅い10月スタートとなり最需要期に巻き返しを図っていく。