【今日は何の日?】『ロックマン&フォルテ』が発売された日(4月24日)。ロックマンとフォルテのライバル同士が共同戦線を組み、新たな敵「キング」とその軍勢に立ち向かう『ロックマン』シリーズの番外編
4月24日は『ロックマン&フォルテ』が発売された日だ。 『ロックマン&フォルテ』は、カプコンの看板タイトルにして横スクロールアクションゲーム『ロックマン』シリーズの番外編で、1998年にスーパーファミコン向けに発売された。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 ストーリーは『ロックマン8 メタルヒーローズ』(以下、ロックマン8)の続きで、謎の敵「キング」によって占拠されたDr.ワイリーの研究所を奪還するため、ロックマンとそのライバル「フォルテ」が共同戦線を組んで挑むというものになっている。 最大の特色は、フォルテが主人公のひとりとして活躍するその内容。本作ではロックマン、フォルテのいずれかを選択するところからゲームが始まり、以降はその選んだキャラクターを操作して本編を進めていく。仕組みとしては、1997年発売の『ロックマンX4』とほぼ同じで、選ばなかったキャラクターは本編にはほとんど登場しなくなる。途中で別のキャラクターに切り替え、遊ぶようなことも不可能だ。 並行して、主にフォルテに特化する形で直線方向へ高速移動する「ダッシュ」、空中でもう一度ジャンプする「フォルテジャンプ」、そしてフルオート形式で8方向に射出可能な連射弾「フォルテバスター」といった新アクションも追加。いずれも『ロックマンX』シリーズのゼロを思わせるものだが、近接攻撃や壁蹴りは不可能といった点で差別化されている。 また、その特徴から機動力はロックマン以上で、スピーディで大胆なステージ攻略が楽しめる。反面、一部ステージの地形やボスは機動力を踏まえ、ロックマンでプレイした時よりも 難しくなる。むしろ、ロックマンの方が初心者向けのキャラクターで、フォルテは上級者向けのキャラクターという位置づけでもあったりする。 システム面では、『ロックマン』シリーズ定番の「特殊武器」と相性、ステージセレクトなどの要素は網羅。後発の作品で追加された「チャージショット」に換金アイテム「ネジ」で強化パーツを買えるショップシステム、チュートリアルを兼ねたオープニングステージも採用されている。 ただし、ステージセレクトは過去作と異なり、クリアしたステージと線で繋がったステージが選択可能になる、樹形図を模したものが採用されている。このステージセレクトは本作以降の『ロックマン』の新作に限らず、派生の作品でも採用されていない独自のもの。ある意味、本作を象徴する要素のひとつにもなっている。 他にバッテリーバックアップによるセーブ機能の導入、1998年当時の『ロックマン』シリーズに登場したキャラクターたちを網羅した「DATABASE(ロックマン図鑑)」および、その情報元たる100枚のCDを集めるやり込み要素なども特徴として挙げられる。 番外編ながら、その中身は紛うことなき『ロックマン』の正統な続編で、もうひとつの『ロックマン9』と言っても過言ではない作品だ。とりわけアクションのみならず難易度やストーリーまで異なる2人のキャラクターで遊べることから、非常にやり甲斐のある内容に仕上げられている。さらに難易度は『ロックマン』全シリーズの中でも3本の指に入る高さで、過去作のクリア経験のあるプレイヤーすら苦戦しかねないほどに苛烈。 特にボスは、弱点の特殊武器を用いて戦っても安心して勝てる保証がない上、相手によっては命中させる際に細かな操作技術も要求される。いつもの『ロックマン』だと思って挑めば、痛い目に遭うことは避けられないだろう。 本作は時系列上の前作、『ロックマン8』の急ピッチな次世代機移行について行けず、遊べなかった低年齢層のファンに向けて制作された経緯を持つ。そのため、当時はすでに第一線から退いていたスーパーファミコンでの発売となった。 全体的な難易度が高めになったのも、現役を退いているスーパーファミコンで“今更”発売されることにちなんでいると、後年に発売された設定資料集でプロデューサーがコメントしている【※】。 発売から4年が経った2002年には、ゲームボーイアドバンスで移植版が発売。その前の1999年には、ロックマンとフォルテの共同戦線という設定のみを継承し、独自の内容に仕上げた『ロックマン&フォルテ 未来からの挑戦者』がワンダースワン向けに発売された【※】。 また、ゲームボーイアドバンス版は2015年にWii Uのバーチャルコンソールでも配信された。反面、オリジナルのスーパーファミコン版は日本以外で販売されなかった背景からか、2024年現在も復刻されていない(※厳密には復刻しているのだが、詳細は割愛する)。また、バーチャルコンソール版も2023年3月28日の「ニンテンドーeショップ」のサービス終了に伴い、新規の購入ができなくなった。 本作に限らず、初代『ロックマン』シリーズにはゲームボーイの『ロックマンワールド』シリーズを始め、現行の環境で遊びにくくなってしまっているナンバリング以外の外伝、番外編が多数存在する。 特に本作のスーパーファミコン版は、発売から25年以上が経過してもなお、正式な形で復刻されずにある。近い将来、遊べるようになることを願うばかりである。 おまけの余談 本作に登場する新規のボスキャラクター6体は、講談社「コミックボンボン」誌において『ロックマン』シリーズのコミカライズを手がけられた漫画家のありがひとし氏、岩本佳浩氏、出月こーじ氏によってデザインされた。 このうち、ありが氏はボスキャラクターデザインに限らず、スーパーファミコン版のパッケージアートも担当している。(※ゲームボーイアドバンス版では、カプコン所属のデザイナー・日暮竜二氏による新たなデザインが起こされた) さらなる余談として、新規のボスキャラクターで「パイレーツマン」を除く5体は発売前、それぞれ「コイルマン(ダイナモマン)」「ブラストマン(バーナーマン)」「ドリルマン(グラントマン)」「マジシャンマン(マジックマン)」「フリーザーマン(コールドマン)」という仮名が与えられていた。【※】 このうち、ブラストマンは『ロックマンエグゼ6 電脳獣グレイガ/電脳獣ファルザー』、『ロックマン11 運命の歯車!!』で正式に登場するに至っている。
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