熊谷6人殺害 遺族の敗訴確定 県警の対応巡り/埼玉県
2015年に熊谷市で起きた男女6人殺害事件について、家族3人が殺害されたのは県警の不審者情報の提供が不十分だったためとして遺族の男性が起こした国家賠償請求訴訟で、最高裁第3小法廷はおととい付けで、遺族側の上告を退ける決定をしました。 訴えを起こしていたのは、事件で妻と娘2人をペルー人の男に殺害された加藤裕希さん(51)です。 男は2015年9月、別の事件で任意同行されていた熊谷警察署から逃走し、翌日から3日間で、加藤さんの家族を含む男女6人を殺害しました。 加藤さんは、家族3人が殺害されたのは、「男が逃走中であること」など、県警が提供すべき情報が不十分だったのが原因と主張し、県に対し、およそ6400万円の損害賠償を求めていました。 一審のさいたま地裁は、「情報提供があったとしても被害を防ぐことはできなかった」などと判断し、おととし4月に、加藤さん側の主張を退けました。 また、去年7月に行われた二審の東京高裁も一審の判決を支持し、控訴を棄却しています。 最高裁が上告を退ける決定をしたため、加藤さん側の敗訴が確定しました。 15日夜、テレ玉の取材に応じた加藤さんは「結果を聞いて間もないので受け入れられず、整理が付かない状態です。最高裁で戦う土俵も与えられず、悔しい気持ちでいっぱいです」とコメントしています。
テレ玉