神木隆之介“玲央”が回り回って鉄平に救われている様子に涙<海に眠るダイヤモンド 最終回>
神木隆之介が主演を務める日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の最終回が12月22日に放送された。いづみ(宮本信子)が鉄平がしていた、外勤のように玲央(神木)に声を掛けたかったと話す様子が描かれて涙が込み上げてきた。(以下、作品のネタバレを含みます) 【写真】玲央(神木隆之介)といづみ(宮本信子)は再び長崎へ ■これまでの日曜劇場とは一線を画す“ヒューマンラブエンターテインメント” 同作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語となっている。脚本は野木亜紀子、監督は塚原あゆ子、プロデューサーは新井順子が務め、「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年、共にTBS系)などを手掛けたヒットメーカーたちが、完全オリジナル作品で日曜劇場に挑んだ。 神木は、1950年代の端島に生きる主人公・鉄平に加え、現代の東京に生きるホスト・玲央の1人2役を演じた。また、鉄平の良き理解者である兄・進平役で斎藤工、鉄平に思いを寄せる食堂の看板娘・朝子役で杉咲花、端島に突然現れた謎の女性・リナ役で池田エライザ、鉄平の親友でありライバルである賢将役で清水尋也、ある過去を抱える自由奔放な鷹羽鉱業職員の娘・百合子役で土屋太鳳が出演。 さらに、謎多き行動で物語をかきまわしていく婦人・いづみを宮本が演じた他、國村隼、沢村一樹、中嶋朋子、山本未來、さだまさしといった実力派俳優陣がストーリーを盛り上げた。 ■鉄平はリナと駆け落ちをしたきり消息を絶つ その日暮らしのホスト・玲央は怪しげな婦人・いづみと出会う。いづみは長崎・端島の出身で、端島に並々ならぬ思いを寄せていた。 高度経済成長期の1955年、長崎県・端島。炭鉱員・一平(國村)の家に生まれた青年・鉄平は、島外の大学を卒業後、島の炭鉱業を取り仕切る鷹羽鉱業の職員として端島に戻ってくる。同じ大学を卒業した幼なじみの賢将と百合子も帰島。同じ頃、端島に謎多き美女・リナがやってきて住み着くようになる。その後、進平と一緒になったリナは誠を生むが、進平は炭鉱の爆発事故を食い止められずに命を落とす。 現代、玲央はいづみから、鉄平はリナと駆け落ちをしたきり消息を絶ったと告げられる。さらにいづみは玲央に、2人が消えた“あの夜”のことを語るのだった。 ■いづみと玲央は本当の鉄平の姿を見るが… いづみが持っていた10冊の鉄平の日記には、大きな秘密が隠されていた。黒く塗り潰された字、破かれたページの本当の意味が判明する。そんな中、玲央といづみは再び長崎を訪れる。 玲央といづみは船で端島に行き、船長はいづみが元島民だと知ると、住居地区まで見学させてくれる。 玲央は星也(豆原一成)経由で当時の映像を入手し、それを宿泊しているいづみの部屋で見る。朝子が働いていた食堂や朝子や進平が写し出されていき、ある人物が写るといづみは「鉄平…」と言う。玲央が映像を止めると、いづみは感極まって涙を浮かべる。 玲央は驚いて「え?あの…似てる…?」といづみに聞く。玲央は鉄平が写し出されている画面の横に行って並んで「俺、似て…」と言いかけると、いづみは「似てないね」と答えて2人で笑う。 いづみは「ただ、声を掛けたかったのかも。『どうかした?元気ないね』って。外勤さんみたいに」と話す。鉄平は「そっかぁ。俺は鉄平に声を掛けられたってことか」としみじみと言って、画面の鉄平に手をやるのだった。 やっと見つけた鉄平の姿は玲央とは似ていなかったが、時を隔てて鉄平に玲央が救われているような図に涙が込み上げてきた。 ◆構成・文=入江奈々