車いすで中国地方一周にチャレンジ 交通事故で左半身にまひ…突然の車いす生活 絶望から挑戦を始めたワケとは?
過酷な挑戦を続ける中さん。 自分への挑戦とともに、そこにはもうひとつの理由があります。 中環さん 「沖縄一周から始めたけど、ずっと、皆さんからいただくジュース代とか、振り込んでいただくお金とかは、スタートからゴールまでの分は全部、(車いすで)チャレンジしたいと思っている子どもの送迎代とか欠損しているグローブとか、引退した補助犬のベッドとか。皆さんからお預かりしたものは全部寄付している」 自分に寄せられる支援を、次の誰かの挑戦につなげたい。 また、12年間ともに過ごし、今年7月に亡くなった介助犬「ファーガス」への感謝も思いも背負って、中さんは挑戦を続けています。 中さんの挑戦には、交代でサポーターが着きます。 島根県内を移動中は、愛媛県今治市からやってきた女性がサポートしました。 サポーター 久保田茜さん 「洗濯をしたり、泊まるところを探したり、トイレを探したりというところを主にやっています」 今シーズン、一番の冷え込みとなったこの日。 中さんは、体を温めながらスタートを切りました。 しかし、スタートから1時間、さっそく難所が。 斐伊川に掛かる神立橋に登る坂です。 「登り切るまでゴール見ないことにしてる。途中で『もう着くべ』と思って顔を上げたら、『まだかぁ』という時あるじゃん。あれが悲しいから、絶対、上を見ないの」 「あ~、疲れた!」 坂を越え一休みしても、その先にはまた障がいが。 狭い歩道、車道に出る際の小さな傾斜も、車イスにスピードがつくことから慎重な運転が必要になります。 この日の昼ごはんは、島根名物のしじみ汁。 「うちの娘が貝が苦手だから、しじみ汁とか作れないの。だから、嬉しい」 昼食を食べ、再び走り出した中さんは、この日のゴール・松江市街を目指します。 そして、出雲市のスタートから走行時間6時間半、36キロ走って、 松江市・宍道湖畔に到着しました。 中環さん(52) Q.挑戦する理由は? 「一番の理由は、ただ自分が走りたいから。やってみたいから、やってる。たくさんの方が、『元気をもらった』とか言ってくれる方がいたので、一瞬だけでも、プラスに考えてくれることがあったら嬉しいです」 Q.今後の意気込みは? 「皆さん、意気込みを聞きたがるが、意気込みはない。ただ、こぐだけ。自分の思い通りにいかなかったら、すごいがっかりしたりとかする。だから、あまり意気込まない方がいいと思う。楽な気持ちで、『できるかどうかわかんないけど、やってみよう』みたいな。で、できたら嬉しいじゃん! そんな感じで、皆さんも過ごしたらいかがでしょうか」
そして、スタートから29日。 中さんは、見事、兵庫県・中国地方一周を達成しました。
山陰放送