１・２億円詐取疑いの「地面師」、報酬３０００万円か…フィリピン逃亡で時効成立せず逮捕
地主になりすまして土地を売却し、１億２３００万円をだまし取ったとして、警視庁は１６日、住所・職業不詳の倉石三夫容疑者（７１）を詐欺と偽造有印公文書行使容疑で逮捕したと発表した。倉石容疑者が他人の土地を勝手に売却する「地面師」グループのメンバーで、約３０００万円の報酬を得ていたとみている。 【図解】一目でわかる…１・２億円詐取「地面師事件」の構図
発表によると、倉石容疑者は仲間と共謀して２０１３年１２月、横浜市都筑区の宅地（約８００平方メートル）所有者の男性になりすまし、東京都内の不動産会社の社長らに偽造した運転免許証などを提示。土地の売買契約を結び、同社から現金５０００万円と小切手７３００万円を詐取した疑い。
土地の買い手を探し、現金の受け渡しにも同席していたという。１９年６月にフィリピンに逃亡し、１５日に千葉・成田空港に帰国して逮捕された。詐欺罪の公訴時効は７年だが、海外滞在中は停止されるため、時効は成立していなかった。
不動産会社が１４年１月、土地の登記申請を法務局に却下され、事件が発覚した。警視庁は１９年１２月、土地所有者のなりすまし役だった倉石容疑者の養父・倉石健一受刑者（７４）を詐欺容疑などで逮捕していた。
