退職金「2000万円」は年末調整されてない? 確定申告しないと「損」する場合も!? もらいっぱなしで大丈夫かも解説
定年退職金を手に入れると、なんとなく……ばくぜんと……「税金」が気になりませんか? このままにしておいてよいのか、確定申告しなければならないのか迷う人もいるでしょう。 本記事では、定年退職金を受け取ったあとに必要となる手続きについて解説します。
定年退職金は基本的にもらいっぱなしでOK
まず大前提となる話ですが、退職金は原則として確定申告する必要はありません。もらいっぱなしで大丈夫です。ただ、会社に「退職所得の受給に関する申告書(図表1)」を提出している場合に限られる点には注意しましょう。これにより、退職金からの源泉徴収で課税が完了できるようになっています。 図表1
国税庁 A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告) ■退職金にかかる所得税額 退職金にかかる所得税は、退職金という性格上、税負担が軽くなるように配慮されています。退職金から退職所得控除額を差し引き、さらにその2分の1の金額に対して所得税率が乗じられる仕組みとなっているからです。退職所得控除額は図表2の算式で計算します。 図表2
国税庁 退職金と税 例えば、勤続30年の人が2000万円の退職金を受け取った場合の所得税は以下のとおりです。 800万円+70万円×(30年-20年)=1500万円 (2000万円-1500万円)×1/2×5%=12万5000円 2000万円もの退職金を受け取っても、所得税はわずか12万5000円という結果になりました。 ■申告書がない場合には源泉所得税が高くなる 「退職所得の受給に関する申告書」の提出がない場合には、退職金から天引きされる源泉所得税は額面に一律20.42%となり高額となります。退職金2000万円であれば、408万4000円です。上記の12万5000円とは大きな違いですね。 ただ、「退職所得の受給に関する申告書」の提出は会社にとってありふれた手続きであり、自分から進言しなくても会社から提出を求められる場合がほとんどでしょう。「忘れないようにしないと!」と過度に心配するほどではありません。