老けるスピード3倍も!老化を早める体の酸化って?予防のための7つの習慣
酸化を防いで老けない肌と体を目指す
老化が進む大きな要因の一つ「体の酸化」。酸化は、シミ、シワ、たるみなどの見た目の老化につながるだけでなく、あらゆる病気のリスクも高めます。酸化が及ぼす影響や、酸化を防ぐ生活習慣について、アンチエイジングに詳しい医師・満尾正先生に伺います。 ■あなたは老けやすい人?老けにくい人?セルフ診断&対策
教えてくれたのは:満尾正(みつお・ただし)さん
満尾クリニック院長・医学博士。北海道大学医学部卒業。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、キレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを開設。日本キレーション協会代表、米国先端医療学会理事、日本抗加齢医学会評議員。「125歳まで元気に生きる(小学館)」「食べる投資(アチーブメント)」など著書多数。
体が酸化すると3倍早く老ける?
人は20歳頃までを成長のピークとして、その後は徐々に老化してきます。とはいえ、年を重ねてもずっと若々しい人がいるように、老化のスピードには個人差があります。 老化速度の違いは、多くは生活習慣とかかわっていて、人によっては約3倍のスピードで老化が進むとも言われます。 そんな、老化を加速させる大きな要因の一つが「体の酸化」です。体の酸化は、体内で活性酸素が増えすぎることで起こります。 アンチエイジングに詳しい満尾先生によると、人は呼吸をしている限り、体の酸化を避けることはできないのだとか。 「人間は呼吸で取り込んだ酸素を利用してエネルギーを作り出しますが、その過程で一部の酸素が酸化力の強い『活性酸』に変化し、増えすぎると体が酸化して(サビて)いきます。鉄やクギがサビていくのと同じ現象が、人の体でも起こっているのです」(満尾先生) 体が酸化すると、全身のあちこちで老化が進んでいきます。 「酸化が起こると、DNA(遺伝子)が壊れたり、酸化によりタンパク質が変性して酵素が働かなくなるなど、分子レベルの損傷が体のあちこちで起こり、細胞の老化が進んでいってしまうのです」(満尾先生)
酸化ストレスは病気のリスクを上げる
細胞の老化によって体の機能が低下すると、あらゆる病気のリスクが高まります。満尾先生は、「ほぼすべての病気に酸化が起因している」と話します。 「例えば、LDLコレステロールが酸化されると動脈硬化のリスクが高くなりますし、がんや神経性疾患(パーキンソン病、認知症など)も酸化が大きな要因の一つです。また、酸化はインスリンの働きを悪くさせるので、糖尿病にもなりやすくなります。体の炎症も酸化によって起こりやすくなるため、リウマチや喘息、関節炎、気管支喘息などの炎症性疾患にもつながります」(満尾先生) さらに、酸化は皮膚の老化とも密接に関係しているので、肌などの見た目にも影響が出てきます。 「酸化により細胞の修復機能や皮膚を守る力が衰えれば、肌のツヤが失われてくすみが出てきますし、酸化によってうるおいを保つコラーゲンや弾力を保つエラスチンが破壊されればシワやたるみの原因になります」(満尾先生) 健康にも美容にも影響を与える体の酸化。ずっと若々しく元気に過ごしていくために、酸化を予防・改善するケアを取り入れていきましょう。