スペインを代表する映画監督、カルロス・サウラの遺作2本を同時公開 追悼上映「VIVA SAURA!」
2023年2月に91歳の生涯を閉じた、スペインを代表する映画監督、カルロス・サウラ。彼が最後に作り上げた映画、『情熱の王国』『壁は語る』の2本を上映する、追悼上映「VIVA SAURA!」の予告映像が公開された。 カルロス・サウラは、生涯で50本あまりの映画を作った、スペインを代表する映画監督。日本では“フラメンコ映画の監督”としての一面がよく知られており、フランコ政権下の作品はほとんど公開されていないが、監督は「過去を反芻するより、次のことを考えることに時間を使いたい」と言い続け、最後まで自分の好奇心のおもむくままに、芸術と向きあった。 この度開催される「VIVA SAURA!」で上映される作品は、『情熱の王国』『壁は語る』の2本。 『情熱の王国』は、『地獄の黙示録』などで知られる撮影監督、ヴィットリオ・ストラーロとタッグを組み、メキシコを舞台に撮ったフィクション。メキシコ音楽がふんだんに流れる音楽劇を作り上げる様を描き、演出家や振付師の葛藤、オーディションに挑む若者たちの競争と、そこから頭角を現す男女3人の美しい肉体とダンス、光と影を瑞々しく捉える。 サウラ監督の遺作となった『壁は語る』は「なぜ人は壁に描くのか」というシンプルな問いを追い求め、先史時代に描かれた洞窟の壁画から現代のグラフィティまでを、サウラ監督自らが旅して探求するアート・ドキュメンタリー。現代アートを代表するアーティスト、ミケル・バルセロや、グラフィティを描くZeta、Musa71、アーバン・クリエイターの Suso33なども出演し、スペインの洞窟から街中に至るまで、あらゆる“壁画”の魅力に迫る。 「VIVA SAURA!」は、2024年6月1日(土)よりユーロスペースほかにて追悼ロードショー。
otocoto編集部
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